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Vol.32No.11
【特 集】 農林水産業における知財の技術移転-現状と展望-


農林水産・食品分野の知的財産をめぐる取組
農林水産省農林水産技術会議事務局    尾室 幸子
 農林水産省技術会議事務局においては,昨今の知的財産を取り巻く機運の高まりを受け,農林水産分野における研究成果の管理,得られ た知的財産の流通,知的財産に関する実務者育成等の様々な取組を関係機関と連携して進めている。 本稿では関係する政府の知的財産政策と併せ,これらの取組の背景と具体的な実施状況,今後の展望について紹介する。
(キーワード:知的財産,技術移転,人材育成,農林水産知的財産ネットワーク)
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農林水産大臣認定TLOの取り組み
(社)農林水産技術情報協会    小倉 昭男
 (社)農林水産技術情報協会は,農林水産省所管の試験研究独立行政法人における技術に関する研究成果(特許)を産業界に移転し,活用を図るための活動を展開している。 活動は(社)発明協会から派遣された特許流通アドバイザーを中心に進め,ライセンス数は土木業,食品産業等,年間40~50件に及んでいる。 これらの活動を支援するため,コンサルティング,特許文献の調査を行うとともに,ウェブを介し,実用化が期待される特許や活用事例の紹介,および知財関連のセミナー開催を行っている。
(キーワード:TLO,特許権,育成者権,実施許諾,知的財産)
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最近の農研機構における知財への取組みと課題
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 情報広報部 知的財産センター    山本 真也
 農研機構は,第2期中期計画が始まる2006年4月,知的財産に関する基本方針を定めた。農研機構では,使命である農業・食品産業の振興や競争力の強化を図る上で,企業等において商品化が期待さ れる研究成果や,従来にない特性を有する植物新品種については,積極的に権利化を行うとともに,民間等における活用を促進することが求められている。このため,外部へ向けた情報の発信や産学官連携の 推進,農林水産大臣認定TLOとの連携強化等に一層努めることが必要となっている。
(キーワード:特許,品種,TLO,産学官連携,知的創造サイクル)
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果樹品種の開発と技術移転の方法
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 研究支援センター    山田 昌彦
 国内果樹産業の振興に品種開発は不可欠であり,農研機構果樹研究所はリンゴの「ふじ」など広く栽培される品種を多く生み出してきた。農研機構果樹研究所で交雑を行い,選抜した少数の有望系統は 全国の公立試験研究機関で試作試験が行われ,普及性のある系統が最終選抜され,新品種として公表される。その後は,試作試験によっていち早く品種特性を把握した公立試験研究機関,これと連携した普及 組織・生産者団体が生産者への普及に大きな役割を果たしている。
(キーワード:品種開発,需要,選抜,普及,試作試験)
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ビジネスモデル特許と青果ネットカタログ"SEICA"
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所    杉山 純一
 農産物の生産情報を産地側から消費者まで確実に伝える仕組み,それが日本で初めて農業分野でのビジネスモデル特許となったVIPS特許である。そして,このVIPS特許の実施許諾を受けて,誰もが自由 に使える農産物のデータベース青果ネットカタログが構築された。公共性を維持し,知的財産を保持しながらの実施許諾は,通常の特許とは異なった工夫がなされている。その具体例を示し,産業上の活用事例を 紹介する。
(キーワード:インターネット,生産情報,ID,農産物流通,実施許諾)
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技術移転における課題とその対応策
農林水産大臣認定TLO 特許流通アドバイザー    巌 道利
 研究機関・TLOの保有する特許の利用率は国全体の利用率に比較して低い。利用率が低い要因として,研究テーマの設定段階から将来の特許の獲得・活用可能性が考慮されていない,出願より論文発 表が優先され権利取得が困難となる,などが指摘されている。一方,研究機関の研究成果を活用する民間企業の立場からみると,導入しようとする技術については,特許により適切な保護を受けているものでな ければ魅力がない。研究機関の研究成果の民間企業への技術移転を高めるためには,研究機関の研究者自身が,①特許の基本的知識を知り強い特許の取得を目指すこと,②知的財産戦略と連携した研究開 発を推進していくこと,が重要である。
(キーワード:TLO,特許流通アドバイザー,強い特許,知的財産戦略)
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発芽玄米の優れた栄養価-技術移転の事例-
日本電子工業株式会社    三宅  篁
 独法の特許を活用して,長野県に月産50tのラインを製造し,発芽玄米を製品化することができた。古くから玄米食の良さは知られていたが,発芽玄米にすることによりさらに機能性を強化できる。また,こ の発芽玄米を製造するに当たり独自の工夫を加え,数々の特許も取得した。
(キーワード:発芽玄米,GABA,炊飯保温釜)
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技術移転が期待される特許の数々
(社)農林水産技術情報協会    田中 健治
 (社)農林水産技術情報協会は,農水省所管の独立行政法人が保有する特許等の技術移転を行っている。その特許等は,植物バイオ,動物バイオ,食品,化学・薬品,有機材料,繊維・紙,土木・建築,機 械・加工・装置,測定・分析,それにその他と多岐にわたっている。その特許等の技術移転に有望ないくつかを紹介する。
(キーワード:技術移転,発酵,灌漑,機能性,抗酸化)
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