ヒガンバナ科(Amaryllidaceae) |
ヒガンバナ科には、どんな植物が含まれるかといいますと、秋に真っ赤な花を咲かせるヒガンバナはもちろん、馴染みのある種類としては、スイセン、アマリリス、クンシランなども入るのです。 このお馴染みの植物は、ヒガンバナの仲間ではなくユリの仲間と思われていることがありますが、それもそのはずで、ヒガンバナ科はユリ科やアヤメ科に近縁のグループなんです。 ヒガンバナ科は、75種約1000種もの植物が分類される大家族です。 赤色のヒガンバナ、黄色のスイセン、橙色のクンシランなど原色の綺麗な花を咲かせる種類が多い科ですが、ヒガンバナにアルカロイドが含まれるのと同様に毒のある種類が多いのでご注意下さい。 |
ガランツス属 (Galanthus) |
キルタンツス属 (Cyrtanthus) |
クリヴィア属 (Clivia) |
スイセン属 (Narcissus ナルキッスス) |
ゼフィランテス属 (Zephyranthes) |
ヒッペアストルム属 (Hippeastrum) |
レウコユム属 (Leucojum) |
各写真をクリックすると大きな画像が見られます。 |
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キルタンツス属(Cyrtanthus) |
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★ プロフィール ★ Cyrtanthusという属名は、ギリシャ語の曲がったという意味の「キルトス(kyrtos)」と花という意味の「アントス(anthos)」に由来しています。これは、花が曲がっていることから付けられたとのことです。 キルタンツス属は、南アフリカの東海岸が原産地で、約50種が分布しています。 耐寒性の球根植物です。品種も多く、ほとんどの種は下向きに咲きますが、中には上向きに咲く種や、火事の直後にしか開花しないという変わった種もあります。 英名は「fire lily」です。 |
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クリヴィア属(Clivia) |
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★ プロフィール ★ クリビア属と言いましても聞き慣れない名前で、クンシラン(君子蘭)と言った方が馴染みがあると思います。 Cliviaという属名は、19世紀のイギリスのクライブ家(Clive)出身の公爵夫人にちなんでつけらました。 自生地は南アフリカのナタール地方の森林で、球根は作らないで太い肉質の根を持ちます。 日本には100年前に渡来し今日まで親しまれてきました。このクンシランという和名は最初ノビリス種(C.nobilis)に付けられました。 その後、C.miniata(クリビア ミニアタ)が渡来して花が上向きに咲くので「ウケザキクンシラン(受け咲き君子蘭)」と呼びましたが、 C.miniata(クリビア ミニアタ)の方が豪華なのでこちらを「クンシラン」と呼ぶようになったとのことです。 |
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スイセン属(Narcissus ナルキッスス) |
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★ プロフィール ★ スイセンは、まだ寒い春先のガーデンや部屋の中をぱっと明るくしてくれる花として古来より人気があります。 日本でも越前海岸などで自生している「ニホンズイセン」が見られますね。 このニホンズイセンの正式な学名はNarcissus tazetta ssp chinensis (ナルキッスス タゼッタ キネンシス)という房咲きスイセンの1種で、古来原産地から中国を経るという長旅をして日本に渡ってきたものとのことです。 スイセン属の原産地に日本は入っておらず、スペイン、ポルトガル、地中海沿岸、北アフリカが原産地となっており、原産地には約30種が分布しています。 N.tazettaは、日本だけではなく、スイセンの中でも最も古くから人間との関わりを持っていて、古代ギリシャの人々に好まれていたことやエジプトでは葬式の花輪として使ったということがわかっています。 ところで、和名のスイセンは漢字で「水仙」と書きますが、これは中国でスイセンを「水の仙人」と呼ばれたことに由来します。 何故「水の仙人」かと言いますと、中国で水辺に自生しているスイセンが清らかで仙人にたとえられたことによるものとのことです。 Narcissusという属名は、ギリシャ神話に登場する「ナルキッソス」という少年に由来するというのが有名ですが、ギリシャ語の麻痺、昏睡という意味の「narce」に由来するという説もあります。 園芸品種は次の12のグループに分類されています。 |
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ゼフィランテス属(Zephyranthes) |
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★ プロフィール ★ ゼフィランテス属は、アフリカ中心の西半球が原産地で、約35種が分布しています。 Zephyranthesという学名は、ギリシャ語の西風を意味する「ゼフィロス(zephyros)」又は西風の神を意味する「Zephyros」と花を意味する「アンテス(anthos)」とからで、ヨーロッパの西側が原産の花であることから付けられたとのことです。 英名には、「fairy lily」や「rain lily」などがあります。 |
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ヒッペアストルム属(Hippeastrum) |
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★ プロフィール ★ 一般にアマリリスと言われている種類は、分類学的には実はアマリリス属ではなくヒッペアストルム属なのです。別の種類にアマリリス属があり紛らわしいのですが、 これは、古い属名のアマリリスがそのまま残ったもので、一般には混同しないようにアマリリス属という学名ではなく「ホンアマリリス」または「ベラドナリリー」と呼ばれています。 一方、一般名と英名で呼ばれている「アマリリス(amaryllis)」は、ローマの詩人ベルギリウス(Vergilius)の牧歌中に出てくる田舎の羊飼いの名前の「アマリリス」に由来するといわれています。 また、amaryllisの他に 「Barbados(西インド諸島にある国名) lily」という英名もあります。 Hippeastrumという少々言いにくい属名は、騎士を意味する「ヒペクス(hippecus)」(または馬を意味する「hippos」)と、星を意味する「アストロン(astron)」を組み合わせて付けられた名前と言われています。 アマリリスと騎士は結びつきにくいのですが、これには、四枚の葉を騎士のもつ剣に見立てたという説と花を正面から見た形を星になぞらえたという説があります。 本属は、メキシコからアルゼンチンにかけてが原産地で、約70種が分布していますが、ブラジルとアルゼンチンに集中しています。 原産地からヨーロッパへ導入されたのは17世紀末で、以後オランダを中心に盛んに育種され、今日、実に多くの豪華な品種が作出されています。 品種のグループ分けは、「ルドウィッヒ系」、「レティクラタム系(葉が白斑)」、「小輪系」と3つあり、一般的な品種はルドウィッヒ系に入ります。 華やかな色だけでなくベルベットのような質感の花弁が人気の理由かもしれませんね。 |
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レウコユム属(Leucojum) |
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★ プロフィール ★ レウコユムというのは聞き慣れない名前ですが、スノーフレークと言えば馴染みがあると思います。 本属は、中央ヨーロッパ及び地中海沿岸が原産地で、9種が分布しています。 Leucojumという属名は、ギリシャ語で白いを意味する「leukos」とスミレを意味する「ion」を組み合わせて付けられた名前と言われています。 これは、白い花でスミレのような芳香があることからつけられたとの説とこのスミレがそもそもいわゆるスノーフレークを示すという説があります。 和名には、「オオマツユキソウ(大待雪草)」の他、「ユキノハナ」、「スズランスイセン」があり、前者は同じヒガンバナ科のGalanthus elwesii(ガランツス エルウィジー)と同じ和名で、 開花時期も近いので混同されそうです。また、スズランスイセンは、花がスズランに似ていること、葉がスイセンに似ていることから付けられました。 英名は、一般名になっている「snowflake」で、雪片という意味のとおり、雪がひらひらと落ちるように花が着きます。 |
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