フトモモの仲間(フトモモ科 Myrtaceae) |
オーストラリアの代表的な植物がフトモモ科の仲間です。
フトモモ科は、約100属3,000種以上からなる大家族の木本植物です。 熱帯・亜熱帯に分布し、特に東南アジアからオーストラリアと南米に多くみられます。 フトモモ科には意外と馴染のある仲間が含まれています。例えば、グアバ、レンブ、フトモモ、フェイジョアなどの果樹、香辛料のチョウジ(クローブ)、ユーカリ、ブラシノキがあります。 フトモモという和名は、中国名の蒲桃(プータオ)に由来しています。 日本では、南西諸島と小笠原諸島のみに自生し、小笠原諸島には固有の「ムニンフトモモ」と「ヒメフトモモ」が自生していて、更に「フトモモ」が沖縄では野生化しています。 |
(2)Chamelaucium uncinatum(カメラウキウム ウンキナツム) |
カメラウキウムという属名は、馴染みがありませんが、「ワックスフラワー」という名前で最近日本でも切花や鉢物で親しまれていて、ワックスフラワー属という別の和名も付けられています。
本属は、オーストラリア固有の常緑低木で、約12種が南西部に自生します。 花弁は分厚くて光沢があり、蝋(ろう)細工のように見えることからWaxflowerという英名が付けられました。 一方、カメラウキウムという属名は、ギリシャ語で「背が低い」を意味するchamaiと「白い」を意味するleukosに由来します。 花がユニークなのは、ろう質だけではありません。写真をよく見ていただくと花の中央が環のような形のものが見られますがこれは雄しべが癒合したものなのです。 2cm前後と小さいながらも光沢があってティアラを持っている豪華な花ですね。 写真のウンキナツムという種は、オーストラリアのパース北部に自生し、木の高さは0.5〜4mほどです。 英名はGeralton waxで、ジェラルトンという地域に多く見られるために付けられました。 花の色は、写真のようにピンク、白の他、赤、紫もあり、多くの品種が育成されています。 |
(3)Darwinia lejostyla(ダーウィニア レジォスティラ) |
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ダーウィニアという属名は、イギリスの科学者でチャールズ ダーウィンの祖父であるE.ダーウィンに因んでつけられました。 葉に芳香があることから、英名はScent myrtleと呼ばれています。 本属の花は、虫媒花と鳥媒花に分かれ、鳥媒花はオーストラリア南西部に偏っています。 花は、乾燥した気候に耐えられるように意外に硬く、乾燥しています。 写真はレジォスティラという種です。ピンク色の鐘形の花がとてもかわいいですね。 |
(4)Darwinia macrostegia(ダーウィニア マクロステギア) |
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英名ではMondurup Bell と呼ばれていて、花が鐘状で下垂しています。 赤と白の花弁に見えるのは、苞でこの中に小さな花がいくつか入っています。他の種とは違って花の先が丸いのが特徴です。 また、オーストラリアのキュート花に出会えました。 |
(5)Darwinia meeboldii(ダーウィニア ミーボルディイ) |
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英名ではCranbrook Bellと呼ばれていて、Cranbrookはオーストラリアの町の名前です。 木の高さは2〜3mほどで、花は2〜3cmほどの大きさです。 赤い覆輪の鐘形の花が印象的です。 |
(6)Darwinia nieldiana(ダーウィニア ニールディアナ) |
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英名でもFringed bellで、鐘形の花を咲かせる他の種とは全く違って棘が集まったような花なのでダーウィニア属と知って妙な感じがしましたが、 葉を見るとよく似ているので同じ属であることを納得しました。 木の高さは0.5〜1mで、花は2cmほどです。 |
(7)Melaleuca conothamnoides(メラレウカ コノサムノイデス) |
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カリステモン属によく似ていて、和名でも「コバノブラシノキ属」とカリステモン属の「マキバブラシノキ」と同様にブラシノキがついています。本属は、雄しべが5本の束になることが特徴です。 メラレウカという属名は、ギリシャ語の「黒い」を意味するmelasと「白い」を意味するleukosに由来します。これは木の幹の色が黒く、枝の色が白い種が多いことによるものです。 一方、英名は、Bottlebrushの他、蜜が多いことからHoney myrtlesとも呼ばれています。 花の色は多彩で、白、淡黄、ピンク、淡紫、赤、黄色、橙、緑があります。 写真のコノサムノイデスは、赤紫の花を咲かせる種です。 先に白い葯が着いているのでまるで花火のように咲いていました。 |
(8)Verticordia aceros(ウェルティコルディア アセロス) |
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ウェルティコルディアは、「人の心を変える」という意味です。 木の高さは7mにもなる種があります。 花は、羽のようなフリンジが入るのが特徴で、英名でもFeatherflowerと呼ばれています。 色は、非常に多彩で、青以外はすべての色があります。また、花に対して花柱がとても長いのも特徴的です。 葉も、非常に多様な形があります。 写真はアセロスという種で、花が黄色なので英名でBristly yellow featherflower と呼ばれています。 ふわふわとしたやさしい花は人の心を癒してくれる気がします。疲れた「人の心を変える」花なのでしょうか。 |
(9)Verticordia grandis(ウェルティコルディア グランディス) |
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木の高さは、0.3〜3mで、1年に数cmしか成長しませんが寿命がとても長く100才になる木もあるとのことです。 花は、2.5cmほどで真っ赤な鳥羽のような花をつけるところから英名はScarlet featherflowerと付けらています。 |
(10)Verticordia helichrysantha(ウェルティコルディア ヘリクリサンサ) |
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英名は、まさに荒野に分布するところからBarrens(荒野の)featherflower と呼ばれています。 本種は、1965年に最初に発見されましたが再発見は1982年とごく最近です。 ヘリクリサンサという種名は、ギリシャ語の「太陽」を意味するheliosと「金色」を意味するchryosに由来します。 切れ込みの入った小さなカップ形の花から突き出る長い花柱は、金色に輝く花から出た光線のようです。 |