Vol.24 No.7 【特 集】 ITによる新しい農業の展開 |
21世紀における農林水産分野のIT戦略 | ||||||||||||
鶴見 和良 | ||||||||||||
政府においてIT基本法を制定するなどIT革命の推進を図っている中で、ITは、農林水産分野においても生産・流通の効率化、地域の生活利便性の向上、 都市との交流等多面的に活用できる技術であることから、その積極的な活用が必要である。このため、農林水産省では、IT専門家等の意見も聴きながら 「21世紀における農林水産分野のIT戦略」をとりまとめたところであり、今後は、この戦略に基づき、デジタル・コンテンツやアプリケーションの開発・普及、 ITインフラの整備、情報リテラシーの向上を一体的に推進し、農林水産分野の情報化に取り組んでいくこととしている。 | ||||||||||||
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農業・農村のIT革命 | ||||||||||||
塩 光輝 | ||||||||||||
今年4月に農水省のIT戦略最終案である「21世紀における農林水産分野のIT戦略」が決定された。筆者も第三者委員会の中で原案作成に関与したいきさつもあり、
今後の具体的な実現については注意深く見守りたいと考えている。 本報では、IT社会の特徴を踏まえながら、筆者が日頃考えている日本農業の課題と、それを解決するための手段としてIT戦略の基本的な考え方について述べた。 筆者が「日本型農業IT革命」と呼んでいる地域を主体としたIT革命である。そして、その典型的な適用例としての「地産地消システム」、また、 IT化を進める上で避けては通れないデジタル・デバイドの課題について述べた。 |
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IT農業に向けた技術開発の考え方 | ||||||||||||
二宮 正士 | ||||||||||||
IT農業に向けたシステム開発を進める中で、認識すべき重要な視点や考え方についてまとめた。第1に、営農現場で発生する情報の重要性を認識し、 簡便に低コストで現場情報を収集できる仕組みを、あまり高度なことを狙わず早急に開発すること、第2に収集した現場データを地理情報システム等を活用して効率的に管理・解析すること、 第3に情報が自ずと増殖するような仕組みを農業情報システムに組み込むこと、第4に農業情報システムを分散協調システムとして開発することでシステム開発を効率化すること等を上げることができる。 | ||||||||||||
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ITと施設園芸 | ||||||||||||
佐瀬 勘紀 | ||||||||||||
欧米の施設園芸では、コンピュータや情報通信網を活用し、計画、生産、流通を一貫管理する構想が動き出している。情報通信の普及、 量販店やチェーン店の台頭が背景にあり、電子化によって従来の市場流通が変化する兆しがある。流通業者と生産者の連携が強化されるなど、 メリットは少なくない。このような状況に対応するためには、生育制御をも念頭に置いた環境制御、システムのネットワーク化、オートメーション化など、 温室生産システムの高度化やシステム化が益々重要となっている。 | ||||||||||||
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消費者と生産者をむすぶ情報ネットワーク | ||||||||||||
杉山 純一 | ||||||||||||
農産物の包装パッケージにIDを付与することで、その作物の収穫日、生産者、品種などに関する情報を消費者がホームページを通して閲覧できるシステム(農産物ネット認証システム:VIPS)を開発した。 そして、実際にスーパーや卸売り市場など多様な販売チャンネルで運用試験を行い、その有効性を確認するとともに、今後の実用化に向けての技術的方向を明らかにした。 | ||||||||||||
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IT利用による産直野菜の計画生産 | ||||||||||||
黒澤 賢治 | ||||||||||||
21世紀の到来を受け、時代はまさに「生命の世紀」あるいは食糧・農業・農村の時代と言われつつある。しかしながら視点を生産現場に移行すれば、
生産従事者の高齢化や遊休荒廃農地の出現、更には農産物の洪水的な輸入攻勢等の中で生産基盤の脆弱化は否めない現実であり、農業の再構築は国内農業の基盤的課題と言える。
中間山地帯の典型的な特性を有する当管内において、IT活用による農業生産構造の再構築と流通販売体制の改革に取り組みつつ、 多様な担い手の育成と豊かな自然環境を活用した「産直野菜」を計画的に生産供給することにより、消費者・流通業界・生産者それぞれの共生活動が力強く実践されて 「旬」を忘れた消費者が日本本来の食文化の回帰しつつある新たな生産現場の実態を報告させていただくとともに、国内農業は視点と新たなシステムの創出により着実に再生し、 本来の農業が持つ多面的機能が、有機的に発揮される産業であることを確信した次第である。 |
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からりネットを活用した産直販売 | ||||||||||||
稲田 繁 | ||||||||||||
このように内子町の農業に変革と活気をもたらしている特産物直売所。この特産物直売所を支えているのがPOSシステムと農業情報連絡システムを統合した「からりネット」である。 |
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