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Vol.14 No.3 【特 集】 第26回民間部門農林水産研究開発功績者表彰受賞者の業績 |
| 汎用型GNSS自動 |
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| 株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン | |||||||||
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| 本稿は,日本農業の担い手不足や高齢化,非熟練作業者の増加といった課題に対応するために開発された,後付け可能な汎用型GNSS
自動操舵システム(超低速作業対応)の技術と普及についてまとめたものである。日本特有の狭小圃場(ほじょう)や畔塗(あぜぬり)・溝掘りなどの低速・高精度作業に対応するため,ホイールアングルセンサーやVWA
S を活用し,時速 0.1 km からの安定した自動操舵を実現した。これにより作業精度・生産性の向上,負担軽減が図られ,実演や地域密着型サポートを通じて普及が進んでいる。
(キーワード:自動操舵システム,GNSS,RTK,超低速作業,農業作業) |
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| 乳蛋白質ラクトフェリンを活用した内臓脂肪低減機能性食品の開発 | |||||||||
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| メタボリックシンドロームは,内臓脂肪の蓄積を主原因とする疾患であり,現代日本の深刻な健康問題と認識されている。当社は歯周病予防素材の探索過程で,乳由来タンパク質ラクトフェリン(LF)に着目する中で,LF が内臓脂肪低減機能を有することを偶然発見し,機能性食品の開発を推進した。胃での分解を防ぐため,腸溶性LF 製剤を開発し,無作為化二重盲検試験により,8週間の摂取で内臓脂肪面積が有意に減少することを実証した。さらにその作用機序として,LF が脂肪細胞に作用し,脂肪合成抑制と脂肪分解促進の作用により内臓脂肪が低減することを推定した。上記,科学的根拠に基づき機能性表示食品の届出が受理され,LFの付加価値向上に貢献した。
(キーワード:ラクトフェリン,内臓脂肪,機能性表示食品,プロテオーム解析) |
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| 二次加工品の食味が長持ちする「やわら小麦」の開発と実用化 | |||||||||
| 株式会社ニップン中央研究所 新畑 智也・猪熊 貴之・川上 裕之 | |||||||||
| 小麦粉二次加工品の多くは,製造後の時間経過に伴い,硬くなる,パサつくといった食味の低下が発生する。このような食味の低下には小麦粉の主成分であるデンプンの特性が大きく関与するため,農研機構との共同研究において,老化しにくいデンプンを持つ小麦の新規開発・実用化に取り組んだ。この新規小麦の小麦粉を用いると,実際にパンや麺などでも硬化が遅く,食味が長持ちした。この特徴を持った小麦を「やわら小麦」として商標登録してブランド化し,小麦粉製品の販売を開始した。 (キーワード:やわら小麦,やわら姫,にしのやわら,みなみのやわら,デンプン,老化) |
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| うね間と樹冠下・雨落ち部両方に対応した茶園除草機 | |||||||||
| 株式会社寺田製作所 雪丸 誠一・今村 健太郎・寺田 均 | |||||||||
| 海外における日本食ブームの影響や健康志向の高まりにより,茶の輸出量はこの10年で約2.5倍強に拡大している。主な輸出先の一つである欧州では有機栽培された茶の需要が特に高い。しかしながら除草剤を散布しない手取り除草は非常に多くの労力を要するとともに,手取り除草を行う雇用労働力の確保が困難となっている。輸出量拡大を目指す一部の生産者から,有機栽培における大きな課題の一つである除草作業に対する機械化への強い要望がある。 そこで,茶のうね間および樹冠下・雨落ち部のそれぞれに特化した2つの除草機構を組み合わせた乗用型茶園管理機に搭載する茶園除草機を農研機構および静岡県農林技術研究所と共同で開発した。本開発機は雑草を根元から除草することから,平均で83%と高い除草率を達成するとともに,手取り除草と比較して作業時間を50%以上削減可能である。本開発機の普及により,茶園の除草作業の機械化が促進され,茶栽培の大幅な省力化が期待される。 (キーワード:茶園,省力化,機械除草,雑草,有機栽培) |
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| 藍色光の防汚・除菌作用の発見と超高輝度装置の開発及び事業化 | |||||||||
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| 発電所や船舶などでは,様々な付着生物により多大な被害を受け,また,水産養殖では,細菌やウイルスの付着繁殖による魚病により深刻な被害を受けている。対策として,現在,主に化学処理が行われているが,近年,環境保全の観点から,これらの化学処理は強く規制される傾向にある。本研究開発では,波長 400〜420 nm の藍色光が,様々な付着生物幼生に対する閉殻・忌避効果,バイオフィルム形成抑制効果を持つことを発見,主要8カ国で特許化した。さらに,マイクロ放熱プレートによりハイパワー LED を高密度実装した超高輝度・藍色 LED 水中灯の開発に成功し,現在,養殖取水装置の防汚・除菌,船舶局所防汚などで適用開始されている。本技術により,生物付着・感染被害を環境に優しく抑えることが可能になった。今後,臨海発電所など,様々な分野における世界的な展開が期待される。 (キーワード:付着生物,防汚,除菌,藍色光,FGHP,超高輝度LED 照射装置) |
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