ポピーの仲間(ケシ亜科の花)
メコノプシス属 (Meconopsis) |
ケシ属 (Papaver) |
アザミゲシ属 (Argemone) |
エッショルチア属 (Eshcholzia) |
グラウキウム属 (Glaucium) |
ハンネマニア属 (Hunnemania) |
ロムニーア属 (Rommneya) |
サングイナリア属 (Sanguinaria) |
メコノプシス属(Meconopsis) |
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★ プロフィール ★「世界一美しい花」とはどの花でしょう。それは人それぞれでしょうが、青いケシを一度でも見た方で「世界一美しい青い花は、青いケシ。」ということに頷く方は多いでしょう。 私が青いケシを初めて見たのは、1990年の大阪の花博の時でした。「ヒマラヤの青いケシ」を見るために長蛇の列ができたのが思い出されます。 人は青い花に憧れます。それは、花の色には赤、黄、白色が多く、本当に青い花は、デルフィニウム、リンドウなどと少なく、珍しいためです。 育種で青い品種を作るのはとても大変です。青い品種を作るために白い品種に青色の色素を作る遺伝子を導入しても青い花はすぐにはできません。 また、青い色そのものに人は惹かれるためなのかもしれません。青いケシを初めて見てから10年以上経ちますが、本土では夏の気温が高すぎてあまりお目にかかる機会がありません。 ですから、日本人には青いケシは未だに「幸せの青い鳥」です。 青いケシは、ケシ科の中でも次に紹介するいわゆるポピーが属するケシ属とは違うメコノプシス属に分類されています。本属には43種あり、 ほとんどの種がヒマラヤ、チベット中国西南部などの高地に分布し、1種のみがヨーロッパ西部に生息しています。「秘境にひっそりと咲く」というのもまた、 憧れですよね。 メコノプシスという属名は、ギリシャ語で「ケシ」を意味する「mekon」と「似る」を意味する「opsis」に由来します。 実は、本属の花の色は、青だけだと思われていますが、赤、白、橙、黄、紫と多彩なんです。 |
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ケシ属(Papaver パパウェル) |
★ プロフィール ★ ケシ属は、一年草又は多年草で、まれに低木になるものがあり、約50種がヨーロッパ、アジア、オーストラリア、南アフリカ、北アメリカ西部に分布しています。 ポピーには、ヒナゲシといわれるP.rhoeas や一般にアイスランド・ポピーといわれるP.nudicaule 、更には、 アヘンの原料となるP.somniferumなどがあります。 ポピーは、紀元前から人類に観賞用としてまた、薬用、食用として親しまれてきました。 ポピーは、眠りと忘却のシンボルで、ギリシャ神話によれば、眠りの神ソムヌスが、実りの女神の疲労を取り除いて豊作にするためにポピーを作ったということです。古くからその作用が知られていたのでしょうか。 ポピーは、ほとんどが観賞用ですが、若い刮ハ(さくか:いわゆるけしぼうず)にアルカロイドを含みアヘンの原料となるケシは、日本では一般には栽培及び輸入が不可能です。栽培は鎮痛剤や麻酔などの医療用だけに許可され、厳重な管理の下でのみ可能です。 Papaverという属名は、古いケルト語のパンがゆという意味の「Pap」と語源が同じで、おそらく古来から子供を眠らせるためにポピーの汁をパンがゆに入れたことからきているのだろうとのことです。 P.somniferumなどの特定の種またはその園芸種以外には、麻酔性はありませんし、完熟した種子を乾燥したものはアヘンを含まず、 「けし粒」としてあんパンにまぶしたり、コンペイトウを製造するとき砂糖の芯にしたりという食用にもされています。実は、けし粒は有史以前から食用にされていたそうで、 近代になってもけし粒は栄養価の高い食品として扱われてきました。 日本では、洋風のイメージの強い花の一つですが、導入は意外と古く、室町時代に薬用として渡来しました。 注 : 今回の写真には日本では輸入不可の種がありますが、イギリスでは観賞用として利用されており、それを撮影したものです。以下の写真の説明では、 そのような種または品種は「日本では不可」と示しました。 |
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アザミゲシ属(Argemone アルゲモネ) |
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★ プロフィール ★ コーカサス、西インド諸島、南北アメリカ、ハワイに約28種が自生している一年草又は多年草です。アザミといわれるとおり葉にとげがあり、 英名もprickly(とげだらけの)poppyです。やさしい花をとげで守っているのでしょうか。属名はとげとは関係なく、ギリシャ語の「白内障」を意味する「argemon」に由来していて、 この種の汁が白内障に効くといわれたためとのことです。 |
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エッショルチア属(Eshcholzia) |
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★ プロフィール ★ エッショルチア?何だか読みにくい属名ですね。何かと思えばハナビシソウの仲間です。この変わった属名は、アメリカ太平洋岸を探検したロシアの医師で自然科学者のエッショルツ(Escholz)に因んでつけられたものです。 北アメリカ西部の原産で、ヨーロッパにも帰化しています。8〜10種で構成されている一年草又は多年草です。カリフォルニアの青い空の下の黄色いハナビシソウの花畑は絶景でしょうね。 |
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グラウキウム属(Glaucium) |
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★ プロフィール ★ 地中海沿岸からアフガニスタンに約25種が自生しています。ギリシャ語の「灰緑色」を意味する「glaukos」に由来します。 これは、写真では分かりにくいのですが、葉が灰緑色のためにつけられた属名です。ハナビシソウやケシ属の花に似ていますが、 和名のツノゲシや英名のhorned(角のある)poppyのとおり、果実が長い角のような形(写真下方)をしているのが特徴です。 |
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ハンネマニア属(Hunnemania) |
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★ プロフィール ★ Glauciumと本当によく似ていますが、雄しべが橙黄色であることなどで別の属とされています。英名のMexican tulip poppyのとおり、 メキシコ原産のたったの1種だけで構成される属です。属名は、本属をイギリスに導入した植物標本業の「ハンネマン(Hunnemann)」に由来します。 |
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ロムニーア属(Rommneya) |
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★ プロフィール ★ ロムニーア属は、カリフォルニア南部からメキシコの原産でケシ科の中では珍しく、木本生の植物です。本属も1又は2種のみで構成されます。 属名は、アイルランドの天文学者のロムニー ロビンソン(Romney Robinson)に因んだものです。 |
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