きのこの話 
1.きのこって何だ!?
秋になると、いろいろな場所できのこに出会います。
「きのこ」とはいったい何者なんでしょうか?
緑の葉をもつ木や草とは少しと違うようだし、もちろん動物ではないし・・・。
実は、きのこは菌糸(きんし)という糸状の組織をもつ、かびの仲間なのです。一般にかびは、胞子(ほうし)と呼ばれるもので増えていきます。
この胞子は、木や草のタネとおなじ役割をもっています。そこで、きのこは「かびの花」と言いかえることもできます。
ここでは、ひとつひとつのきのこを見る前に、きのこの生活や森ときのことの関わり合いについて簡単に紹介します。
2.きのこ各部分のよびかた
それでは先ずきのこの各部分の呼び方について説明しましょう。図-1を見て下さい。最も基本的なきのこの形を示してあります。
ただし、なかには「つば」や「つぼ」を持たないきのこやサルノコシカケの仲間のように平べったい形をしたきのこ、ホウキタケのようにサンゴ状のきのこなどもあります。
それぞれのグループの特徴はきのこの分類の所に示してあります。


きのこの中で最も数が多いのは「ひだ」を持つグループです。きのこのひだは、柄についている状態がそれぞれ特徴をもっています。
きのこの説明の中でもこの特徴について書いてあります。そこでひだのつき方の特徴を図-2にまとめました。内容を理解するときの参考にして下さい。
3.きのこの生活
きのこは、生活のしかたによって大きく二つのグループに分けられます。
一つめは(図-3)、枯れた植物や死んだ動物の体などを分解して養分をとっているグループです。枯れ木や切り株、落ち葉の上にきのこがたくさん出ているのを見たことがあると思います。
シイタケやナメコはこのグループの代表です。これらのきのこたちは、枯れ木などから養分をとって生活しているのです。


もう一つは(図-4)、共生(きょうせい)という生活をするグループです。この共生というのは「きのこと木とが、お互いに養分や水分をやりとりして、助け合いながら生活をする」という生き方のことです。たとえば、マツタケはアカマツの林に生えます。スギやヒノキの林には生えません。きのこに興味のある人にとってはこんなことは当たり前のことです。マツタケがアカマツと共生しているからこうしたことが起こるのです。アカマツだけではなく、クリやクヌギ、カラマツなど多くの種類の木がきのこと一緒に生活しています。ためしに、きのこのたくさん出る林の土を掘ってみて下さい。木の根ときのこの菌糸(きんし)とがからみ合って、菌根(きんこん)と呼ばれる特殊な形をしているのが見られます。この菌根をとおして養分や水分のやりとりがされています。
4.森林ときのことのかかわり
さて、ここまでお話ししてくると、森や林で、きのこがどのような仕事をしているかが、何となくわかりかけてきた人もいるかもしれません。
一つめは、森や林の中にある枯れ木や落ち葉などをきのこが腐らせて、土にもどしてやる仕事です。きのこ以外にも、土の中の小さな虫やかび、
もっと小さな細菌と呼ばれる生き物なども同じような仕事をしています。この様な働きをする生き物のことを、むずかしいことばで分解者(ぶんかいしゃ)と呼びます。
二つめは共生関係です。きのこと木とは、お互いに養分や水分をやりとりして助け合いながら生活しています。多くの木が、きのこと一緒に生活することによって、
よりたくさんの養分や水分を土の中から吸収することができます。一方、きのこも木が作り出した養分をもらって生活しています。この養分をもらわないと、
みなさんが知っているような形のきのこを作ることができません。きのこと木の種類の組み合わせは決まっていて、アカマツの林で採れるきのことクヌギの林で採れるきのこは種類が違います。
さらに、きのこと一緒に生活している木は、そうでない木よりも病気に強いということもわかっています。このように、きのこは、森や林を健全に育てていく上でも大切な役割をはたしています。