数多いチョウ類のなかでも、アゲハチョウ科は大型の美麗な種を数多く含むこと
で世界的に愛好家の多いグループです。この仲間は世界から573種が記録され、日本にも22種が分布しています。残念ながら日本にはいませんが、とりわけ、トリバネアゲハの仲間は、その
最大型のチョウを含む代表的なグループで、世界的に大変有名です。この項では、
そうしたトリバネアゲハ類を中心に多彩なアゲハチョウの仲間を紹介します。なお、紹介した写真の個体は、それぞれの種の平均的またはそれより大型の
個体で、その大きを開張(翅を広げた時の前翅の両端の長さ)で示しておきます。
■トリバネアゲハの仲間 (目次 No.1〜13) 東南アジアからニューギニア地域に分布する大型のアゲハチョウで、幼虫はすべてウマノスズクサ類の 雑草を食べて育ちます。この仲間にはトリバネアゲハとキシタアゲハの二つのグループがあり、 このうちトリバネアゲハは12種が知られ、さらに地域によって多くの亜種に分けられています。とくに雄は豪華な色彩で彩られ、ここでも雄を中心に紹介しました。 また、雌は一般に雄よりも巨大ですが、雄とは色彩がまるで違い、いずれも黒地に白紋を散らし、 雌同士の種類差もあまりありません。一方キシタアゲハは17種が知られ、一般に前翅が黒く、後翅の全部または一部が黄色いことから この名があります。この仲間も雄よりも雌が大型で、雌雄で形態が異なりますが、トリバネアゲハほど 極端ではなく、雌も後翅に黄紋を持っています。 なお現在、これら仲間は種の保護のため、 すべてワシントン条約で商取引が禁止されています。 ■その他のアゲハの仲間 (目次 No.14〜43) アゲハチョウ科はさらに3つのグループ(亜科)に分けられています。そのうちトリバネアゲハの仲間を含む大多数の種はアゲハチョウ亜科に属しています。ここでは、トリバネアゲハ類以外のそうしたアゲハチョウ亜科の一部を紹介しておきます。 ■ウスバアゲハの仲間 (目次 No.44〜47) アゲハチョウ科はアゲハチョウ亜科のほかに、ウスバアゲハ亜科とウラギンアゲハ亜科の2つのグループがありますが、後者はメキシコ特産の1種だけです。ここではウスバアゲハ亜科の一部を紹介しておきます。とくにウスバシロチョウの仲間は、高山地帯に住む種が多く、アゲハチョウとは思えないくらい変わった形をしてます。 |
各写真をクリックしてご覧下さい
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シボリアゲハ Bhutanitis lidderdalei |
ギフチョウ Luehdorfia japonica |
ウスバシロチョウの一種 Parnassius epaphus |
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アポロウスバシロチョウ Parnassius apollo |
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