昆虫類は世界最大の種類数を誇る動物です。現在名前のついている種類だけでも全動物の6割を越える180万種を数え、さらには、毎年何千もの種類が世界中から新種として発表されています。未発表・未発見の種を加えるとその実数は
2,000万種とも1億種とも考えられています。まさに、地球は「虫の惑星」なのです。 昆虫類は4億年を越える地史的な年月のなかで、多彩な形質を創りあげてきました。ここでは、とくに形の変わった昆虫や、色彩の美しい昆虫たちのほんの一部を紹介します。 そしてこれらは、すべて生きる上での意味があって成立したものです。たとえば、雄同士が雌を争うためのツノ、仲間の異性を見分けるための模様、 天敵から逃れるための保護色、毒針や毒物質を持っていることを天敵に知らせるための派手な警戒色、武器がないのに警戒色を持つ虫への擬態、 天敵をおどかすための目玉模様・・・・・などなど。 それでは、昆虫の色と形の世界を鑑賞して下さい。そして、益虫とか害虫とかの問題を越えて、この小さく巨大な生物が歩んできた悠久の太古からの進化と適応の歴史にも思いを馳せていただけたらさいわいです。 |
標本・資料提供 : 梅谷献二 氏
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