幼虫はサクラ・ウメ・バラ・カキをはじめ、多くの広葉樹の葉をはじめ、各種の草花や雑草の葉を食べ、食餌植物は百数十種に及びます。
本種もときどき大発生して問題になりますが、とくに周期性はなく、実害の点では通常前種の方が大きいようです。また、成虫のガは前種に似ていて、
毒針毛によって成虫も危険なことも前種と同じです。
年1回発生し、成虫は6〜7月ころ出現して葉裏に卵塊を生みつけ、間もなく幼虫が孵化します。
幼虫の発育は遅く、集団で生活し、脱皮を繰り返して11月ころまでに10齢内外の中齢幼虫になって、落ち葉の下などで集団で越冬します。
翌春の新芽のころに活動を再開し、集団で葉を摂食してさらに13〜17齢のになって老熟してから集団生活を解消してばらばらで生活するようになります。
被害はこの5〜6月ころにもっとも問題になります。
そのほか、本種に刺されたときの対処法などについては前種と同じです。 一般にドクガ科の幼虫は体色が派手で、背中にハブラシ状や瘤状の毛束があったり、
体の前方に長い毛束が角状に突き出していたり、見るからに恐ろしそうな毛虫であることが大きな特長です。実際にはこれらのうち、
刺すのはチャドクガやドクガなど一部の種類だけなのですが、実はこの仲間の毒性にはまだわからない部分があります。たとえば、
サクラやウメなどでよく見かける写真のヒメシロモンドクガなどは、刺さないと言われている種類ですが、実験用に何世代も飼育したところ、
だんだんアレルギー症状が出て、飼育を断念した研究者がいました。また、針葉樹に多い写真のスギドクガも1〜2度刺されたくらいでは何ともありませんが、
実際の毒性の有無は不明です。数多い毛虫のなかでもドクガ科の毛虫だけは、たとえ刺さないとされている種類でもなるべく触れない方が無難かもしれません。
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