クスサン
Caligula japonica
クスサンの終齢幼虫(別名シラガタロウ) |
ヤママユガ科。日本全国に分布。幼虫は成長すると全身が白色の長毛で覆われ、俗にシラガタロウと呼ばれる体長80mmの超大型の毛虫になります。年1回の発生で、幼虫は4〜7月に出現し、若齢幼虫は黒灰色で集団で生活しますが、成長するとともに分散して葉を暴食します。やがて葉を糸で綴って独特のカゴ目状のマユを作ってサナギになり、秋に羽化した成虫が樹の幹に産んだ卵塊で越冬します。好んでクリの葉を食害するため、クリケムシとも呼ばれていますが、そのほかクヌギ、コナラをはじめウメ、プラタナスや、葉を食べる害虫のほとんどいないイチョウにも寄生し、発生の多いときには樹を丸坊主にするほどの被害を与えます。幼虫の毛は硬く、触れると痛く感じることがありますが毒物質は含まれていません。いわゆる野蚕の一種で、かつてはその絹糸が釣り糸として利用されていました。 |
クスサンのマユ(別名スカシダワラ) |
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