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ジャワ島やバリ島の伝統的な木彫は、題材の多くを古典の「ラーマーヤナ物語」等から採用しているが、その中になぜかカマキリが散見される。
しかし、ぼくは寡聞にしてカマキリの登場する東南アジアの古典を知らず、このカマキリの由来はまだナゾである。
本シリーズ中のミニシリーズとして、この地のカマキリたちを紹介するが、今回のものはそのうちもっとも写実的な作品で、シリーズの5回目に紹介したケラと同じく、
1987年、当時バリ島に駐在していた鈴木芳人氏(現九州農試)のみやげである。翅端をくわえた立ち姿に色っぽい雰囲気があり、
ある女性の友人は「おいらんカマキリ」と命名した。硬い白木製で、高さ37cm。
カットの立像は、ぼくのこの関係の唯一の弟子である東京農業大学の黒須詩子さんが、1994年2月に北スマトラのベラスタギで採集し、研究用?に“先生”に提供したもので、
原産地はバリ島と思われる。台座に木のコブを利用した軟木の一体彫りで、高さ31p。
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