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古代エジプト人は、糞玉を転がすスカラベを日輪の回転を司るケペラ神の化身としてあがめ、おびただしい数のスカラベの護符や装飾品をつくった。
スカラベこそ世界最古の虫のオブジェである。しかもそれらは同定まで可能で、当時のエジプトの糞虫相の一端を今日に伝えている。
というわけで日本でもエジプト展が開催されると売店にできの悪いスカラベのレプリカがよく並ぶが、この3点はそれらとは一味違う。
これは虫仲間の服部伊楚子さんが1992年1月にエジプトはルクソールの骨董店で入手した、いわば“由緒正しきレプリカ”である。
偉なるかな服部さんは最近早ばやと身辺整理を思い立ち、涙をのんでこれをまとめてぼくに下賜された。どうもありがとう。
レプリカとはいえ、これを握っていると、ぼくの夢想は悠久の古代エジプトに遊び、至福のひとときを過ごせるのである。
本物は黒花崗岩などの硬い石や碧玉などの貴石製のものが多いが、これは軟らかい滑石製。大きさは最大のもので長径11.5cm。
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