妙高　　　H12.6

シラネアオイ
Glaucidium palmatum

（キンポウゲ科）

イワカガミの群生に驚きながら大倉谷を歩くうち、道に被さる林の下草の間にすっと静かに佇んでいた。キヌガサソウが高山植物のキングなら、これはまさにクイーンである。 花弁は傷つきそうなほど薄く、気高く繊細で、淡いピンクの装いが暗い林の中で寂し気にさえ見える。 　観光客が手当たり次第盗んでいくと土地の人が嘆いているのを聞いて腹立たしい。簡単に人の手に届かないところにしか見られない理由が解った。 この花一つで恵まれた気分のまま旅行を終えた。

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