カイガラムシの防除 |
1 カイガラムシの防除は難しい 2 カイガラムシ発見のコツ 3 防除 4 防除薬剤
2 カイガラムシ発見のコツ |
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1 | 葉にすす病がでたら、要注意。その上部にカイガラムシ、アブラムシ、コナジラミがいる。 |
2 | アリが樹を上り始めたら、要注意。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミがいる可能性がある。 |
3 | 枝や幹、葉の裏に注目。 |
4 | 樹の根元や幹の窪みにアリが土などを被せていたら要注意。コナカイガラムシを中に隠していることがある。 |
カイガラムシは小さいので、正確に見るにはルーペ(虫眼鏡)が必要です。倍率は8〜10倍で十分ですが、カタログに12×と書いてあっても12倍ないことが多いのでご注意。
それでも6〜8倍はあるので、十分使用に堪えます。製品によっては正10倍と書いてあるのがあります。20倍のルーペは慣れないと使いにくいです。
レンズの色収差を補正したAchromatic Lens と書いてあるレンズは明るくて見やすいが高価になります。 |
スミチオン | コデマリのカイガラムシ |
オルトラン | 単独の薬剤ではカイガラムシ、ロウムシに適用はない。 |
マシン油乳剤 | 落葉性庭木、アオキ、カナメモチ、サザンカ、サンゴジュ、ツツジ、ツゲ、ツバキ、モッコク、マサキのカイガラムシなど、ハダニ類。 |
なんと、庭木のカイガラムシにはマシン油乳剤のみしか使えません。
しかし、後で述べますが、スミチオン、オルトラン、アレスリンなどの混合剤が多く家庭用に作られて、カイガラムシ、ロウムシに対応出来ます。 散布にあたって注意するのは薬害です。特に鑑賞用の高価な植物の場合、同じ植物の安価な品種で薬害が出るかどうかを試した方が無難です。 どれくらいで薬害が出るかは植物で違いますので何とも申せません。私のカンキツでの経験では、約2週間で葉に斑点が出た例から、 翌春の新葉に異常が出た例まであります。 この様に薬剤が少ないと、また薬剤の嫌いな方には「テデトール」しかありません。方法は各自で工夫されるでしょうが、意外に便利なのは、 使い古しの筆の毛を1cm程残して切り落とし、反対の柄(竹)の先を斜めに切って先をとがらした道具です。葉などの広い場所の掃除には筆の毛を用い、 凹凸や狭い場所の掃除には竹の先で落とします。 筆の先を使用する場合、葉が硬ければ筆を押すように使用するとムシは落ちやすくなります。 この方法の欠点は、孵化したばかりの小さな幼虫は体長0.2mmほどで、葉の色に似ており、幹や葉にしわがあると、見逃すことと、葉や枝に傷を付け易いことです。 勿論、手間がかかります。しかしカイガラムシの成虫は跳ねたり飛んだりしませんし、幼虫は歩いてもたかだか1分間に1cm程度の早さですので、 腰を落ち着けて作業できます。 幹に多数寄生している場合は、タワシなどで擦り落としてください。しかし意外に掃除ミスがありますので、ご注意を。 −余談1− ロウムシやコナジラミによってすす病が出た場合、落葉樹では冬に落葉してきれいになりますが、常緑樹では見苦しいままです。 モチノキなどのように機械油乳剤が散布できる樹ではその100倍液を冬に散布すると、薬液が乾いた後、ススが風できれいに剥がれてきます。 |
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