樹木の害虫「カイガラムシ」 |
是永 龍二 |
はじめに カイガラムシは大きいものでも体長1cm、多くは2〜3mmと小さく、色もきれいでないため、蝶やカブトムシのようにポピュラーな虫ではありませんが、 緑資源の保全などの環境問題から、庭木や街路樹の害虫として関心が高まってきました。 さらに、自然とのなじみが薄い一般の人々、とくに虫嫌いの人達にとっては、不快害虫の一つとしても話題になってきました。 しかし、カイガラムシの仲間は、悪い虫ばかりではありません。食品の赤い色素「コチニール」をとる「コチニールカイガラムシ」、 高級塗料とか、チョコレートや菓子のコーテットなど意外に利用範囲の広いシェラックをとる「ラックカイガラムシ」(この2種は外国産)、 特殊な白ロウをとる「イボタロウムシ」のように、貴重な資源を提供してくれる仲間もありますが、ここでは悪い虫だけをとりあげることにします。 なお、寄主植物などでは河合省三著「日本原色カイガラムシ図鑑」全国農村教育協会(1980)−絶版− を、 また防除時期などについては各県の果樹試験場の成績を参考にさせていただきました。 お礼申し上げます。 |
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