キンバエ類 (写真U-1〜6)
「さし」は、古くからウグイ、オイカワ、ワカサギなどの釣り餌として多用されてきた。その正体はキンバエ類のウジである。100〜150匹ほどをオガクズとともに小袋に入れて、50〜100円程度で四季を通じて売られ、
「赤虫」と並んで最も安価な商虫でもある。
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念のため、玉川大学ミツバチ科学研究施設の吉田忠晴氏にサンプルを送って素性を問い合わせたところ、日本で飼われている系統の働き蜂に間違いないこととともに、大要次のような添え書きがあった。 「サンプルは腹部の縞模様が不明瞭なので羽化1-2日目の若い働き蜂を巣板から摘み取ったか、羽化直前の巣板を恒温器に入れて、そこから羽化した働き蜂を集めたと考えられる。現在一般に使われている可動式の巣板は、 片側の巣房から2,500〜3,000匹の働き蜂が羽化するのでこの価格の高価なことに驚く」と。さすがに専門家、そうであったかの思いである。 冒頭でふれたアメリカのイエコオロギに似た、このような乾燥虫体の釣り餌としての効果も、またどの部分が「プロ仕様」なのかもぼくにはわからない。素人考えではむしろミツバチの幼虫のほうがよいようにも思えるが、 これが釣り餌で売られているのはまだ見たことがない。 |
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