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シリーズの8回目に駿河竹千筋細工師・野田貞一氏の鳴く虫の作品を紹介したが、このトンボ(カワトンボらしい)とスズムシは、
氏が伝統虫籠の蒔絵を依頼している静岡の漆工芸家・中篠峰雄氏の作品である。中篠氏が作品展示会の添景に虫も創作していることを聞き、
野田氏の紹介で早速帰り道に訪ね、これらを譲り受けた。いずれも銀製の本体に漆を塗り、金色のものはさらにその上に金箔が貼ってある。
前記の野田氏の竹細工の虫とはまた趣を異にする繊細優美な作品である。ほかにテントウムシとアメンボもあり、とくにアメンボは、
展示会で巻き紙をほどいて川に見立ててたくさん配置したところ、来客に好評を博したという。が、すべての作品を揃えるにはいささか手元不如意であった。
黒色のものは同行の東京農大の河合省三氏の所蔵品である。いまのところぼくの「虫」のコレクションの中で、国産品としては唯一の漆工芸品である。
トンボの開張56mm、触角を除くスズムシの体長32mm。
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