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陶製のテントウムシ

(ウルグアイ)


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 南米のウルグアイは新大陸の通例として、虫のオブジェなどないと思っていたが、ぼくは1990年、3度目の訪問でこれを見つけた。 首都モンテビデオの西100kmほどの所に、ウルグアイラウンドの舞台となったブンタデルエステがあり、その手前の丘に、24聖人の一人サンアントニオを記念した聖堂がある。 そしてテントウムシはこの聖人の化身として、「ビッチョ・デ・サンアントニオ(サンアントニオの虫)」の名で、だれでも知っている有名な存在であることを知った。

 テントウムシは英語で「レディーバード」というが、動植物名に「レディー」がつく場合、たいてい「聖母」を意味する。 またイギリスで僧職者がテントウムシになぞらえられたこともある。赤と黒の僧服がこの虫の翅を連想させたらしい。 日本でもこの虫は漢字で「天道虫」と書かれるが、これも伝道師由来の「神の虫」の意味とする説もあり、とにかくこの虫はやたらに神様と因縁が深い。 このオブジェは大きいもの(写真上)で体長67mm、小さいもの(写真下)で30mm。とくに小型グループのデフォルメと彩色は芸術的である。



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