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「らでん細工」とは、夜光貝やアワビなどの真珠光を放つ貝殻の薄片を切り抜き、漆器の表面に象眼した工芸品である。
韓国のものがとくに有名だが世界各地で作られていて、中国でも山西省の伝統工芸品となっている。中国のそれは動植物をモチーフにした小物入れなど比較的小さいものが多いが、
”虫”は見たことがなく、最近ではあきらめてその売り場を素通りしていた。
ところがついに見つけた! 今回紹介した蝉がそれである。2000年の夏、それも通い慣れたはずの北京の友誼商店と同じくルフトハンザセンター(燕沙友誼商域)の2ヶ所で合計3個。
もちろん全部購入して恩に着せて同業の好事家へもおすそ分けした。今後入荷の見込みはないというので文化遺産的な珍品といえよう。中国の”蝉”は奥が深い。
10回を超える訪問での初対面であった。体長18cm、象眼には銅線も配置した見事な出来で、背面がふたになっていて腹面側が小物入れになっている。
ぼくにとって「中国と蝉」の組み合わせはいささか食傷気味だが、これを発見したときはさすがに生きていて良かったと思った。
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