教材用模型の虫たち

　上野駅の構内にある理科教材店「THE STUDY ROOM」での最近の採集品。添付のタグに、「フロリダSAFARI社、1997年発売。THE HIDDEN KINGDOM（神秘の王国） シリーズ、版権スミソニアン協会」とある。ソフトビニール製で、多分に漏れず中国への発注品。広く輸出しているらしく、それぞれの虫の解説がヨーロッパの主要５カ国語で記されている。 シリーズには昆虫を含めていろいろな動物があるが、さすがに教材らしくオブジェでは通常見かけないような種類が多い。コノハムシは東南アジア産のナナフシムシ科の一種で、 食樹のグァバの葉に似ることで知られる。体長15cm（実物の2倍）。ノミはネコノミ、11cm（同45倍）。いも虫は実験用昆虫としてヨーロッパで多用されている野蚕のセクロピアサンで、 14cm（同2.5倍）。価格はコノハムシが2200円で他が1600円。ぼくは科学的に正確な形態の模型であることと、「神秘の王国」に恥じないモチーフの選択に感心して喜んで採集したが、 「たかが型抜きのソフトビニール、いくらスミソニアンのお墨付きでも高過ぎる」という同業好事家の評価もある。