動物の性は一対の染色体で決められる。多くのグループのメスは、細胞の中にXと呼ばれる性染色体を2個持ち、オスはそのうちの1個がYの組み合わせになっている。
つまり、XXがメスで、XYがオスである。そしてオスの精子にはXかYか、どちらかの染色体が1つ含まれ、そのどちらが卵子と結合するかで生まれてくる子供の性別がきまる仕組みになっている。
通常では、このような個体群は死滅を免れないのだが、一方のメスの方にもこれを救う“F因子”を持つ異常個体が増え、これがM因子より上位に働いているため死滅を免れ、 性比も一対一に保たれているそうである。 現在のところ、イエバエのこのような性異常は、日本だけで特異的に起こっている。その原因は定かではないが、異常は都市部で出現率が高く、少なくとも、 都市化という“文明”が何らかの形で深く関与していることだけは確かなようである。 [朝日新聞夕刊「変わる虫たち」,(1989.2.27)] |
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