(※写真をクリックすると大きな 画像をご覧になれます)
|
タカ科に属する猛禽類。インド・東南アジアから台湾や八重山諸島までの熱帯・亜熱帯に広く分布し、八重山諸島がその北限。
指定されているのは、西表島(いりおもてじま)・石垣島の森林地帯を中心に生息する日本固有亜種。与那国島にもまれに飛来する。
全長55cm・翼長37cm・翼開長97cm・体重800g。全体に褐色で、下面は黒褐色に小さな白斑や黒班がまだらにあるが、幼鳥は全体に灰白色。
目の周りは黄色、くちばしは黄緑色。頭部の羽毛は黒色で小さな白班があり、後頭部で長い冠羽状になっていて興奮すると逆立つ。
これが「冠鷲」という名前の由来。飛ぶとき、翼の後縁に2本ある黒褐色の帯が見える。
主に平地や海岸近くの森林に接する農耕地など開けたところに生息。大きな河川沿いの森林やマングローブ林近くで見られることもある。
3〜4月、リュウキュウマツ・スダジイ(イタジイ)などの高さ10〜12mあたりの枝が二股になった部分に、雄と雌が共同で小枝を運び直径50cmの巣を作り、
1〜2個の卵を産む。雌が巣に留まって35日抱卵したあと育雛し、雄が餌を運ぶ。雛は60日で巣立つが、さらに3か月は親鳥から餌をもらう。
幼鳥が親鳥の行動圏から追い出されるのは翌年の繁殖期で、他のタカに比べて遅い。
餌はヘビ・トカゲ・カエル・カニ・昆虫・小鳥などで、電柱の上に止まって待ち伏せすることも多い。採食行動からは猛禽のイメージにほど遠く、動作が緩慢。
|