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日蓮聖人を祀る誕生寺の前、内浦湾の海岸沖100mにある岩礁から南へ1kmの伊貝(いが)島・小弁天島・大弁天島あたりまでは「鯛の浦」とよばれ、タイが群生している。
指定地域は、湾東側の入道ケ岬と西側の松ケ鼻を結んだ湾内の海域と、東側の岬に近い陸地の一部をあわせた200ha。
タイは本来、水深30~150m、海底が岩や砂利のところに生息し、その中層を小回遊している近海魚で、群れを作らない。名前は「平たい魚」の意。
ところが、ここでは太平洋の荒海に面した水深10~15mと浅く、しかも狭い範囲に群れで生息しているだけでなく、船べりを叩くと水面近くに現れ、
与えられる餌(魚の切り身など)に集まるのである。ほとんどがマダイ(真鯛、タイ科)で、他では見られないきわめて珍しい現象。
雌は5~6歳になると産卵する。産卵期は4~6月。体重1.5kgのタイで40万粒、体重4kgなら90万~100万粒を産む。卵は直径1mmの浮遊性分離卵。
受精後2日半で孵化した稚魚は、7月上旬まで藻場にいて動物性プランクトンを、8月中旬からは岩礁地帯で小エビなど甲殻類を、9月中旬になるとエビ漁場でエビのほかイカなどを餌にして育つ。
11月に越冬場所へ移る。12月上旬から次第に食べなくなり、1月下旬にはまったく餌を採らず越冬状態に入る。越冬期間の水温は14℃。
4月上中旬、越冬を終えた幼魚は回遊を始める。成魚になるのは6,000粒の卵から1匹の割合とか。
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