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富山湾に注ぐ常願寺川の河口左岸から東へ魚津港に至る15kmの間、満潮時の沖合1,260mまでが指定地域。この海域では、4〜5月の日暮れ時、
ホタルイカの雌が産卵のため深海200〜600mの谷間から浮上して浅瀬に密集し、翌未明には沖へ帰っていく。
大群遊のときに見られる青緑の宝石のようで幻想的な光の帯は「海の銀河」にも例えられる。発光しつつ砂浜に打ち上げられ「ホタルイカの身投げ」といわれる光景が出現することもある。
ホタルイカは、軟体動物類のホタルイカモドキ科に属する深海性発光動物。「コイカ」あるいは「マツイカ」ともよばれ、胴長は雄4cm・雌6cm、重さ10gと小さい。
発光器は3種類、すべて腹側に付いている。いちばん大きくて強く光る発行器は、一対の腕の先に3個ずつあって青白く光る。皮膚にある発光器は、
ひれを除く全身に700〜1,000個あって青と緑の光を満天の星のように放つ。そして両眼の周りに5個ずつ。発光の仕組みは、
発光素(ルシフェリン)・発光酵素(ルシフェラーゼ)などが化学反応を起こすことによる。発光する理由は、外敵に対する威嚇・幻惑・仲間とのコミュニケーション・餌寄せのためなどとされている。
わが国でホタルイカが生息しているのは新潟県沖から山陰にかけてで、太平洋岸の相模湾や駿河湾でも捕獲されたことがある。
しかし、数十万匹の大群で海岸近くまで押し寄せるのは富山湾独特の珍しい現象で、世界でも他に見られない。
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