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ミカドアゲハはアゲハチョウ科に属し、アジアの熱帯から亜熱帯に広く分布していて、日本はその北限。紀伊半島の東部から南部・山口県・四国南部・九州で見られるが、個体数は多くない。
高知県では海岸線沿いに生息地が点在しており、とくに高知市で発生数が多く、潮江(うしおえ)天満宮境内・要法寺境内・潮江中学校校庭の3か所で生息地が指定されている。
羽の形(縦長)や大きさ(開長7cm)がアオスジアゲハに似た大型の美しいチョウで、尾状突起はない。地色は黒色、表面に青みがかった白色ないし青色の帯と斑紋があり、
裏面の斑紋に赤斑型と黄斑型がある。雄だけは、後ろ羽の内縁が内側にたたまれたように折れ返り、その中に淡い茶色の長い毛が多く生えている。
5月中旬から6月上旬にかけて、オガタマノキ・タイサンボクなどモクレン科の木の新芽に淡黄色の卵を1個ずつ産み付ける。1週間で孵化した幼虫は体長2mmで、
若齢期は暗褐色。新芽を食べて育ち、脱皮して大きくなるにつれて色がうすくなる。終齢は濃緑色になり、胸の背中側に黄色の輪に囲まれた黒い目玉模様がある。
1か月後に食樹や付近の常緑広葉樹の葉裏でさなぎになり、一部は7月上旬から8月に成虫(夏型)に、ほとんどはそのまま休眠して翌年4月下旬から5月に成虫(春型)になる。
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