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出水(いずみ)平野に渡来するツルは種類と数の多いことが特徴で、ナベヅルが最も多く6割、マナヅルが2割、クロヅルやカナダヅルが少数、
ソデグロヅルやアネハヅルもまれに渡来する。ナベヅルとクロヅルの雑種とみられるナベクロヅルが昭和43年(1968)にこの地で初めて観察されて以来毎年数羽が確認され、
タンチョウも4回記録。指定地域は245ha。
マナヅルはナベヅルより大きく、全長130cm・翼長55cm・翼開長180cm・体重6kg。額から目の周りは赤く、耳羽(じう)は緑褐色、頭頂から後頚(こうけい)と喉は白く、
背中は銀灰色。ナベヅルに比べて、水分の多い湿地を好む。「本当のツル」という意味で「真鶴」と書き、マナヅルと名付けられた。
繁殖地は、ロシア極東地方と中国北東部のアムール川流域からモンゴル中央部にかけての湿地帯。越冬するときは、ほとんどが南下し朝鮮半島を経由して壱岐、
長崎半島、八代海を通ってくる。
秋晴れの日が続いて朝夕が肌寒くなる10月中旬から渡来し始め、11月に入って北西の季節風が吹くとそれに乗って次々と大群でやってきて、
12月下旬から1月にかけてピークに達する。ナベヅルは世界中の9割が、マナヅルは5割が渡来。
親鳥2羽に幼鳥2羽の4羽の家族でいるのが多い。ねぐらは、出水市北西部の荒崎と高尾野町の出水東干拓地にある水田の水位が浅いところで集団で眠る。
モミ・ムギ・サツマイモ・ハゼの実・昆虫・ミミズ・貝・小魚などを餌とし、空が少し明るくなる6時半ころから餌場に移る。
2月中旬から3月下旬の天気のよい日に、北西の方向へ飛び立ち繁殖地へと帰っていく。
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