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マリモはシオグサ科に属する緑藻類の一種。
明治27年(1894)に郡山という人が阿寒湖で発見して採集したものを札幌農学校(現北海道大学)で研究し、30年(1897)に川上瀧彌が「毬藻(まりも)」と名付け、
翌年植物学会誌に発表した。
球形で固く、美しい濃緑色のビロード状をしており、日光がよく届く水深2~3mのごく限られた砂泥質のところで、付着せずに生育する。
波動で揺れ動き回転することによって砂や泥を払い落とし、位置を替えつつ全体で光合成をする。
マリモの一生は、(1)生まれる(胞子の形成と発芽)(2)伸びる(糸状体への生長)(3)密生する(糸状体の集合)(4)丸くなる(球状の形成)(5)集まる(球状体群落の形成)(6)崩れる(大型化と空洞化)という過程を経る。
球体は1個の植物ではなく、無数の糸状小体である藻が枝分かれし絡み合いながら、中心部から外側へ伸び生長してできたもの。
確認された最大のマリモは直径30cmあるが、直径6cmほどの大きさになるまでに150~200年かかる。
第二次大戦後、森林の伐採、水力発電による阿寒湖の水位変動、温泉街の発展に伴う湖水の水質悪化などで生育域が狭まり始めため、
昭和25年(1950)に地元の人々を主体とする保護組織ができた。これはわが国の自然保護運動のさきがけにもなり、毎年10月中旬紅葉の湖を舞台に行われる「まりも祭り」は、
同年にマリモの保護を目的として始められた行事。
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