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ダイセンキャラボクは、裸子植物類イチイ科の常緑針葉低木で、高木イチイの変種。
大山(標高1,709m)北斜面の夏山登山道の六合目あたり(1,350m)から出現し、八合目あたり(1,600m)から山頂にかけての緩斜面の風衝低木・草本帯に8haもの大きな群落が広がる。
その中のややくぼ地になったところが純林。国有林で、樹齢600年。
ダイセンキャラボクは樹高1〜2mの伏臥(ふくが)性樹形をしていて、単一の主幹が直立することはほとんどなく、根元から分かれた数本の枝が曲がりくねって交差しながら、
あるいは地面を這いながら四方に伸び、その長さが15m以上のもある。葉は線形で枝に不規則な輪生状につく。雌雄異株。
秋になるとほの甘い淡紅色の実がなり、日本海から冷たい季節風が吹きつける初冬には、枝の霧氷で幻想的な芸術作品ができる。
キャラボクは、日本海側の山地(山形県の鳥海山から兵庫県の氷ノ山、鳥取県の大山・道後山まで)に点々と自生しており、ここが南西限。
大山に生育するものをとくにダイセンキャラボクと称しているが、植物学的には同一。
大山は1万年前に活動を終えて現在は解体期とされており、30年ほど前から裸地化が進みだした。このため、昭和60年(1985)から官民一体の保護運動が始まり、
ヘリコプターによるだけでなく登山者にも麓から石を頂上まで運んでもらって、浸食溝を埋め植物で緑化する方法が採られている。
こうした運動の成果が見られるものの、標高が少しずつ低くなっている。
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