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ツゲは被子植物類ツゲ科の常緑低木。山形県を北限として本州・四国・九州に自生しているが、分布は限られる。材が非常に緻密で肌目も細かく、
櫛・そろばん玉・将棋の駒などに利用される。
古処山(標高859m)は、600m以上に自然林が残されている。山頂一帯は高さからすると本来はブナ林になるところだが、山頂から東に連なる馬の背のような狭い帯状の尾根筋に石灰岩が露出していて、
そこにツゲ林が発達している。国有林。
指定地域は11.7ha。6,600本のツゲが純林状に群生し、大半をオオヒメツゲが占める。これにホンツゲとマルバツゲを合わせると林全体の80%以上になるほど純度が高く、
全国的にも最高のツゲ林とされる。大部分が樹高4〜8m・直径4〜10cmの亜高木林で、無数の幼木も見られる。
木口面は一様に黄褐色、年輪を肉眼で数えることが難しいほど年輪界がはっきりしない。記録によると、最大のものは幹周り1.7m・樹高12mであるが、
樹齢は1,000年を超えていたといわれるほど生長がきわめて緩慢。
周辺を山に囲まれた秋月藩が山林を大切にしていたため、貴重な原始林が守られてきた。
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