(※写真をクリックすると大きな 画像をご覧になれます)
|
ソテツ(裸子植物類ソテツ科)は、主に東南アジア・台湾・オーストラリアに多く分布する亜熱帯性の低木。190種あるうちの1種が日本の南端に達している。
その自生地の北限の一つが、都井岬の最南端にある。御崎(みさき)神社の西にある渓谷の右岸側が主で、左岸側の神社から少し後方の一部分を含む範囲が指定地域。
5,000m2に3,000本のソテツが暖地性植物と混生。都井御崎牧(まき)組合の所有地。
樹高3m・幹周り1mのもあって生育が良い。雌雄異株で、8月に花が開く。雄花の穂は筒状、雌花の穂は球状で、どちらも茎の頂上につく。
根には藍藻が共生し窒素固定をするので、荒地でも生育する。
鉄くずを与えると生気を取り戻すところから「蘇鉄」と書く。
昭和27年(1952)の指定当時は広く分布していたが、崖崩れで落下したり、藪になって生育が衰えたりして範囲が狭まった。近年、メダケが繁殖してソテツ林に侵入してきている。
純林になっている岩山の南向き斜面は、日当たりが良いうえ、潮風や台風が直接当たりにくく、また北側と東側が絶壁になっていて他の海岸樹が侵入できない。
神社の周辺も自生地のように見えるが、指定地域に含まれていないらしい。
|