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蒲生八幡神社の境内に、悠然とそびえるクスノキがある。
根周り35m、幹周り24.2m、枝張り東12m・西12m・南10m・北19m、樹高30mの勇壮な樹形である。緑のコケをつけた樹幹の基部には多数の大きなこぶがあり、
その内部に直径4.5m・八畳敷の広さの空洞がある。樹齢1,500年。
平安時代後期の1123年、この地方の領主になった蒲生上総介舜清(かもうかずさのすけしゅんせい)が豊前国宇佐八幡宮から祭神を分け移して正八幡若宮(しょうはちまんわかみや)(現在の神社)を建立したとき、
すでにこのクスノキが神木として祀られていたという。
長い歳月の間に台風や落雷などにたびたび遭遇し、とくに昭和60年(1985)の台風で、直径20〜60cmの枝が二十数本折れるなどしてほとんど裸同然になり、
樹木の生存さえも危ぶまれた。
それ以前から樹勢を維持するための保護対策が講じられてきたが、かつてない甚大な被害に関係者が総力を挙げて取り組み、平成元年(1989)には樹勢が回復するまでになった。
さらに8年(1996)から4年をかけて大掛かりな保護増殖事業が行われ、仰ぎ見ると重量感で圧倒されるほどである。
この大クスは、古くから蒲生郷のシンボルとして親しまれ精神的な拠り所とされている。昭和63年(1988)に環境庁が実施した全国調査により、
幹周り3m以上の巨樹が55,798本あったなかで「日本一の巨樹」との折り紙が付けられ、地元では大変な喜びようだったという。
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