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熱帯・亜熱帯の波や潮流がおだやかで、海水と淡水が混じり合う汽水域の河口や入江では、堆積した泥土が満潮時には水面下になり干潮時には干される湿地に、
マングローブという低木の群落ができる。
「メヒルギ」ともよばれるリュウキュウコウガイは、マングローブを構成する被子植物類ヒルギ科の植物。熱帯アジアから琉球・奄美大島・屋久島・九州本土南部まで分布する。
これが自生する群落の北限が、薩摩半島南部、錦江湾沿いの喜入町生見(ぬくみ)にある。海岸と国道226号線に挟まれた細長い形の7,620m2で、町有地。
南方では4〜5mにまで生長するが、ここでは2mくらいのものが多い。幹から多数の支柱根を出して体を支える。海水の干満に適応するため、細胞液は多量の食塩を含んでいて、
浸透圧が大きく吸水力が強い。葉は多肉で光沢のあるクチクラ(角皮)が発達していて、蒸散を防ぎ多量の水分を貯える。
8月に白い花が咲き、翌年6月に30cm以上にもなる細長い果実が熟す。熟しても裂けず(閉果)、枝に着生したまま種子が発芽する(胎生植物)。
それが落下して泥土に突き刺さり、実生(みしょう)となって生長する。
常に海水に浸っている所の木より、あまり浸っていない所の木のほうが大きく生長するので、生長に海水は良くないらしい。しかし、海水に浸らない所では、
他の陸生植物が入り込んできて次第に駆逐されてしまうため、そこを避けるようになったとみられる。
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