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裸子植物類ソテツ科の植物はほとんどが熱帯・亜熱帯に自生し、そのうち1種だけが沖縄諸島・奄美群島から九州本土の南端までと八丈島に分布する。
鹿児島県では、薩摩半島の長崎鼻の先端から竹山(太平洋岸に面している標高200mのコニーデ型火山)にかけての一帯など2か所と、
大隈半島の佐多岬一帯など2か所の4か所が指定地域で、自生地の北限。国有林が9割以上。
高さ1〜3mの常緑低木で、幹は1本直立するものが多いが、まれに数本束生して株になる。太い幹には鱗状葉の跡が残る。葉は幹の頂部だけにつき、
傘を開いたように束生。雌雄異株で、花も幹の頂部につく。雄花は単生し、その雄性配偶子は被子植物や他の裸子植物と異なり精子をつくる。雌花は多数束生。
生長がきわめて遅く1年に1cmほどしか伸びないので、生長の速い植物との生存競争には弱いが、根が特別の仕組みを持っていて、栄養分の少ない岩場でも生育できる。
4か所とも少し乾いた原野の岩石の間に生育し、海岸の崖地に多く群生。
幹の髄や果実には多量のでんぷんが含まれており、沖縄や奄美大島では救荒作物として畑の縁などに植え飢饉に備えていた。水にさらして有毒成分を取り除く。
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