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ト キ



所在地:地域を定めず(主な生息地:新潟県)
指定の経緯:
 昭和9年(1934) 12月28日天然記念物指定、27年(1952) 3月29日特別天然記念物指定(基準:動物(2))


トキ
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 トキ科の1属1種。全長75cm・翼長40cm・翼開長140cm・体重3kg。黒くて17cmもあるくちばしが下方へわん曲。顔の皮膚が裸出した部分と脚は赤い。 後頭に白くて長い冠羽。体の羽は純白。風(かざ)切羽(きりばね)や尾羽はオレンジ色がかった美しい淡紅色、いわゆる「朱鷺(鴇)」色。

 生後2〜3年で成鳥になると、1月末ころから、顔の裸出部の周囲の皮下から分泌される黒い液を羽にこすりつけて灰色に染め、繁殖期に備える。 3月中旬、主に雄がケヤキ・アカマツなどの高木に、木の枝・落ち葉・枯れ草・コケなどで直径50〜100cmの巣を作る。4月上旬に卵を2〜4個産む。 抱卵28日で孵化が始まり、すべて孵化するのに7日かかる。60日で巣立つ。抱卵・育雛は雄と雌が共同で行う。

 山間の湿地や水田で、小魚・カエル・サワガニ・貝・昆虫などを捕食する。

 ついに平成7年(1995)、日本産のトキは雌の「キン」1羽だけになった。そして11年(1999) 1月、中国から日本へ雄の友(ヨウ)友(ヨウ)と雌の洋洋(ヤンヤン)が贈られた。 5月に産卵、人工孵化によって優優(ユウユウ)が誕生。その後順調に増えていた15年(2003)の 10月10日「キン」が老衰のため死に(推定36歳、人間なら100歳くらい)、 日本産は絶滅。現在39羽。


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