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指定されているのはニホンライチョウで、ライチョウ科の日本固有亜種。同科23亜種のうち世界で最も南に分布し、個体群が隔離された氷河期の遺存種。
本州中部の北アルプスを中心とする頚城山塊(くびきさんかい)から御嶽山(おんたけさん)までの山系と南アルプスの高山帯(標高2,300〜3,000m)、
とくにハイマツ帯の岩場に生息する。
全長37cm・翼長19cm・体重500g。雄は眼の縁が黒く、眼の上に赤い肉冠。年に三回換羽し、白い冬羽から4月に換わる春羽は雄が黒褐色で雌が黄褐色、
夏羽はどちらも暗褐色、そして11月下旬までにどちらも尾羽の一部を残して純白の羽毛になる。保護色の典型的な例。
鼻孔が羽毛の下に隠れ、足には指先まで羽毛が密生していて体温の放散を防ぐ。雪や氷を掻いて餌をついばむのに適した鋭い爪とくちばしを持っていて、
きびしい自然を生き抜く。
餌はクロマメノキ・ウラシマツツジ・チングルマ・オヤマノエンドウ・コケモモ・ガンコウランなど高山植物の芽・葉、そして花・実・種子で、
ミミズ・昆虫も食べる。鳥類では珍しく盲腸が発達している。
3月下旬、太陽の光が強くなり、稜線に近い風衝地に常緑小低木の群落が現れると、そこに雄が集まり、つつき合いの争いをして順位を決める。
最高順位の雄が山頂付近に縄張りを構え、雪どけを追うように下方に向かいながら5月中旬までに次々と縄張りが決まるのに伴い、つがいができていく。
雄の数が雌の1.5倍と多いので、あぶれ雄がでる。
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