(※写真をクリックすると大きな 画像をご覧になれます)
|
オオサンショウウオ科の日本固有種で、世界最大の両生類。スイスで発見された3千万年前の化石と今の姿がほとんど変わっていない「生きた化石」。
岐阜県以西の本州・四国・九州の一部で、主に河川の上中流域に生息するが、渓流だけでなく小川や用水路で見られることもある。
全長60cm。近年の記録では全長148cm・体重30kgというのもあるが、ダム建設・河川改修などで生息環境が変化したためか、大きい個体が見られなくなっている。
全身は茶褐色の地に黒色の斑紋があり、生息場所の川底に似た保護色をしている。大きく扁平な頭に直径2mmほどの小さなまぶたのない目がある。
手足は短く、前足の指は4本、後ろ足は5本で、爪はない。全長の3分の1ほどの縦に平たい尾を持つ。ずんぐりして、なんともグロテスク。
群生せず、昼間は岩陰や川岸の横穴にいて、夜になると出て小魚・エビ・サワガニ・カエル・貝・水生昆虫などを捕食する。
両生類なのに、ほとんど陸に上がらず、秋に産卵することやその方法が変わっている。
繁殖期の夏になると川をさかのぼり、支流の流れの緩やかなところで、雄(ヌシとよぶ地方がある)が川岸に深さ1〜2m・長さ数mで奥に広間のある横穴の産卵巣を作る。
雌が来ると、不思議なことにヌシと雌に数匹の雄が加わって産卵が行われる。直径8mmの卵が数珠状の卵嚢(らんのう)になっている。
その巣穴に時間をおいて次々と別の雌が来て産卵し、卵でいっぱいになった巣穴をヌシが守る。産卵から50日で孵化し、成長した幼生は翌年1〜2月に冷たい川の中へ出ていく。
|