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バラの育て方



 樹型や花の形・色・香りなどバラには多くの種類があります。花壇に植えるか鉢植えにするか、あるいは、垣根作りにするか、アーチやポールに仕立てるか…目的や好みによって選ぶバラの種類(品種)が違ってきます。 育て方はバラの種類や苗の状態によって多少違ってきます。

 もちろん、植える場所の土質や気象条件によっても異なります。しかし、作り方の基本をマスターすればあとは工夫次第で立派な花を咲かせることができます。 自分で育てたバラが咲いたときの喜びは格別です。ここでは関東の平地で育てる場合を想定して基本的な事柄を述べますので、あとは工夫して下さい。

苗の植え付け   水やり   施 肥
花と枝の処理   病害虫の防ぎ方  


苗の植え付け
 0℃近くになるとバラの樹は休眠状態になるので、厳寒期には少々乱暴に扱っても植え痛みはほとんどありません。2年生苗の植え付けや成木の移植は1、2月の寒い時期が適期です。 ポッ卜入りの1年生苗は春になると園芸店やホームセンターの店頭に並ぶようになりますので、できれば6月中旬頃までに植えつけたいものです。

 バラを植えるところは日当たりや風通しの良い場所が適していますが、条件が多少悪くても管理次第で立派な花を咲かせることができます。庭に植えるときには直径、 深さとも30cm以上の植え穴を掘り、そこへ骨粉、油粕、化成肥料、乾燥牛ふん、堆肥などを入れ、土とよく混ぜ合わせます。化成肥料や牛ふんなどの量は苗の大きさや土の肥沃度によって変えますが、 バラ苗1本当たり牛ふん・堆肥は5リットル、それ以外は各150gを標準と考えて加減します。初心者にはバラ用の配合肥料やボカシ肥料が無難かもしれません。 肥料が直接バラの根に触れないように、庭土を厚さ5cm程戻してから根鉢を崩さないまま植えます。庭土に腐葉土やピートモスを適当に混ぜて根の周りに入れ戻します。 水をたっぷりと与え支柱を立てます。


水やり
 冬は土が極度に乾燥しない限り水やりは不要です。夏は土が乾いたと思ったら水を十分与えましょう。庭植えのバラには株元に10リットルのバケツ1杯位、 鉢植えは鉢底から流れ出るまで水をやります。水やりは午前中が理想ですが余り厳密にする必要はありません。なお、梅雨に入る前に株元に敷きわらなどのマルチングをすると乾燥防止と黒点病予防に有効です。


施 肥
 バラは「肥料食い」で、他の植物にくらべると多量の肥料を必要とします。肥料の分量や時期は樹の状況や土質・気象などによって変えますが、元肥と追肥に分けて施しましょう。

 元肥はバラが休眠を始めた12月(冬期)に植え付け時に施した肥料とほぼ同じものを株元から30cmほど離れたところに溝を掘って施すか、ばらまいてすき込むようにします。夏にも元肥として冬期の半量位の施肥をします。

 追肥は春の芽が伸びる前や、秋の剪定前に化成肥料または配合肥料を株から30cm以上離して円状にまきます。水やりをかねて液肥を千倍程度に薄めたものを施すのも効果的です。


花と枝の処理


つぼみの処理  新苗は翌年以降に立派な花を咲かせるために、1年目に出てくるつぼみは早めに摘み取るようにします。成木でも関東以南の地方では夏期のつぼみは摘み取ってやります。 大輪咲きのバラはわきから出るつぼみは摘み取りますが、中、小輪の品種はそのままにして房咲きにします。
ベイサルシュート
の処理
 株元から出る太い芽をべイサルシュー卜と言いますが、そのままにしておくと沢山の花がほうき状に咲いて樹を弱らせます。 これを防ぐために50cmほど伸びたら先端10cmを折ります。わき芽が再び伸びてきますから同様に折り取ります。これを秋まで繰り返すようにします。
夏の剪定  8月下旬から9月初めが夏の剪定の適期です。まず、枯れ枝や生育の悪い枝を切除します。次に夏までに伸びた枝の3分の1程度を、高さを整えながら切り戻すようにします。 仕上げは株全体のバランスを考えながら樹型を整えるように剪定します。
冬の剪定  2月の中旬が適期ですが、芽の伸び出す1ヶ月前までに剪定作業を終わるようにします。光や風通しを良くし、丈夫そうな5本前後の枝を盃状になるように整えることを念頭に置いて、 まず、枯れ枝、病気の枝、3年以上の古い枝、鉛筆よりも細い枝などを根元から切り取ります。次に、開花させる枝を切り詰めますが、切る位置は樹高が50cm程度で外側についている芽の5mm程上を斜めに切るようにします。


病害虫の防ぎ方
 バラに被害を与える病害虫は種類が多く、致命的なダメージを与えるものも少なくありません。 しかし、防除法がほぼ確立していますのでマニュアルに従って防除作業を確実に行えば誰にでもすてきな花を咲かせることができます。バラのおもな病害虫と防除法は下表の通りです。

病 害 虫 名 症  状 防  除  法
黒星病  葉に黒色の斑点が生じ、やがて葉全体が黄色になって落下する。  病兆を認めたら葉は除去・焼却。薬剤としては、サプロール、ダコニール、マネージなど。
うどんこ病  芽や若葉、つぼみなどが小麦粉を振りかけたように白くなり葉がよじれる。  ミラネシン水和剤、トリフミン、モレスタンなど。
キャンカー
(枝枯れ病)
 枝に紫褐色の斑点が生じ、やがて枝が枯れる。  発見次第健全部分まで切り詰める。
根頭がんしゅ病  根にこぶが生じ、株が次第に弱る。  株を掘り起こして焼却。土も取り替える。
ハダニ  高温、乾燥が続くと葉裏に発生。落葉させる。  オサダン、ニッソランなどを4,5日おきに3回散布。
アブラムシ  新芽にむらがって発生する。  オルトラン、スミチオン、ベストガードなどを1週間置きに2回散布。
チュウレンジハチの幼虫、シャクトリムシ  葉を食害  スミチオン、アクテリックなどを発生時に数回散布。
バラクキバチ  若枝に産卵し、枝先を枯らす。  スミチオン、アクテリックなどを。

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