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菊の栽培法



菊の特性   培養土   発酵リンサン   挿し芽育苗のこつ  
水やりのコツ   施肥のコツ   開花期の調節  
主な病害虫とその防除法

  キクの主な病気    おすすめの多目的殺菌剤

  キクの主な害虫    おすすめの多目的殺虫剤

各写真をクリックすると大きな画像をご覧になれます


菊の特性

 菊はキク科の宿根草で、関東以西では露地で越冬できるほど丈夫です。

  趣味栽培のほとんどは秋咲きで、品種によって多少違いますが日長が13時間以下になると花芽分化し、12〜15日後に蕾が見え、 それから50日位で満開になります。
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培養土

 菊は弱酸性〜中性で肥沃な、排水・通気が良く、水保ち・肥料保ちの良い土で良く育ちます。しかし、天然にこれだけ沢山の条件を備えた土はないので調合しなければなりませんが、 菊の出来は土で決まると言っても過言ではありません。

 腐葉土40,牛ふん堆肥10,赤玉土30,発酵燐酸10,くん炭10を良く混ぜ合わせ湿らせて10日以上置いてなじませれば満点です。
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発酵リンサン

 リンサンは花の肥料と言われますが、生長期でも重要な働きをしますので、より吸収されやすいように加工し、同時に有用微生物を大量に補給するものです。

 バットグアノ(またはヨウリン)2kg、米ヌカ5kg、ピートモス2kg、牛ふん堆肥10kg、赤玉土60kg、バイムフード(または発酵菌)1kg、 砂糖400gを溶かした水10リットルを混合して発酵させ、3回切り返して完成です。4月だと1週間でできます。
肥効の高い発酵リンサン
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挿し芽育苗のコツ

 挿し穂は、開いた葉を4枚つけて芯芽を切り、一番下の葉を切って写真のような手順で水揚げしダンゴ挿しにします。

 晴れた日の夕方、底につくように挿して、ジョロでたっぷり水をかけたら、その後10日位、水をかけないのがコツです。

 根が2cm位になった頃が鉢上げ適期ですが、シフイーポット挿しは根がポットの外に沢山出てきてからの方が良く育ちます。
理想的な挿し穂

茎の直径5mm位、勢いがよいと葉が水平より上向きになっています。

トノコに発根促進剤(オキシベロン)を
まぜたダンゴをつけた状態
右:水揚げ、
中:挿し穂調整、
左:ダンゴをつけたところ
挿し芽箱への挿し芽

挿し芽箱に中仕切りをすると揃って発根が早くなります。

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水やりのコツ

 水はたっぷりかけ、表面の土が乾いて白っぽくなるまで待って次の水をやるのがコツで、少しずつ何回もやったり、湿っているのに水をやるのは根ぐされのもとです。

 8月末までは水をひかえて乾き気味に育て、9月に入ったらたっぷりかけるようにします。花が7分咲きになると吸水量が減ってきますので、 以降は水をひかえた方が花型が良く、花保ちも良くなります。
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施肥のコツ

 鉢上げ後10日位たって苗が十分活着してから最初の乾燥肥料を5号鉢に小サジ2杯やり、8月15日頃までは乾燥肥料の追肥主体で育て、 8月下旬から9月上旬に液肥をどんどんやると巨大輪になります。9月中旬からはほとんどNのない、PK液肥で調整しますが、蕾の甘皮が破れる頃と、 花弁が3本位倒れた開化はじめの頃に、花肥用液肥を与えると花を大きくする効果が大です。
急激なチッソの吸いすぎによる葉緑の障害

早く発見してキクヨウ(植物活力剤)か硫酸マグネシウムを葉面散布すると止まります。

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開花期の調節

 開花を早くするにはシルバーフィルム等で暗くするシェード処理をして花芽分化を早めますが、数日早めるには蕾の小さい頃にシェードしてもよく、 いずれも日長を11時間位にするのが最も効果があります。

 逆に開花を遅くするためには、夜0時頃から2時間電照して花芽分化させない方法が普通ですが、数日遅くするには蕾の小さい頃に日没から2時間、 3〜5日電照します。
シルバーフィルムを張ったシェード施設

この中に鉢を入れたり出したりします。

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主な病害虫とその防除法

 表のように、いろいろな害虫がいますが大輪が弱く、小輪は丈夫で中輪はその中間です。いずれの場合も、発生してからの薬剤散布では不十分ですので、 日光に良く当て風 通しを良くし、チッソ過剰にしないよう元気に育てて予防防除につとめます。

 また、同一薬剤をくり返して使用すると抵抗性がつきやすいので、何種類かの薬を用意して交互に使用することが大切です。

キクの主な病気

葉の病気 黒斑病 梅雨期と秋に多く盛夏期には少ない
褐斑病 黒斑病と同様
白サビ病 3〜6月特に多く、9〜10月にも発生する
黒サビ病 春と秋、雨が多いと発生しやすい
ハガレセンチュウ病 6〜7月の発生が多い
白サビ病の被害
根の病気 立枯れ病 7月中〜下旬と9月中旬に多い
青枯れ病 立枯れれ病と同様


 
花の病気 灰色カビ病 開花が進んでからの発生が多い
花腐れ病 開花の初中期に発生しやすい
花枯れ病 花腐れ病と同様
花枯れ病

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おすすめの多目的殺菌剤

ベンレート トップジンM
ダコニール1000 ダイセンステンレス
ジマンダイセン フロンサイド
ベフラン液25 サプロール(特にシロサビ病)
トリフミン(特にシロサビ病) ラリー(特にシロサビ病)
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キクの主な害虫

キクスイカミキリ 4〜5月に加害産卵する
キクヒメタマバエ 4〜5月に被害が多い
マメハモグリバエ 栽培期間中成葉を加害する
アブラムシ類 栽培全期間加害する
ハダニ類 栽培全期間加害する
ハマキムシ類 栽培全期間加害する
ヨトウムシ類 8〜10月の被害が特に多い
スリップス類 栽培全期間加害する




ヨトウムシの卵塊


ワタアブラムシ


キクスイカミキリの被害


マメハモグリバエの被害
葉裏に産卵するので見つけ次第つぶす。 先端部によく発生し、ウイルス病を発生させる。 産卵個所から上が枯れ、孵化した幼虫は茎を下に向けて食い込んでいく。 白い小さい点は産卵管でつつき、汁を吸った跡。


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おすすめの多目的殺虫剤

カルホス スプラサイド スミチオン
ディプレックス アフアーム
(マメハモグリバエの特効薬)
コテツ
ピラニカ
(殺ダニ剤)
ニッソランX
(殺ダニ剤)
ダニカット
(殺ダニ剤)
オサダン
(殺ダニ剤)
ミルベノック
(殺ダニ剤)
バイデート
(根から吸わせる薬剤、線虫にもよく効く)
オンコル
(根から吸わせる薬剤)
オルトラン
(根から吸わせる薬剤)
アドマイヤー
(根から吸わせる薬剤)


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