培養土作りの材料とその役割 |
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★★ 赤玉土改良の材料 ★★ |
- ●赤玉土(60%):
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いつでもどこでも、同じ品質のものが安定して入手できる基本になる土。しかし酸性で、リンサンを吸えなくしてしまう、痩せた土である、
という3つの欠点がある。
- ●米ぬか(7.5%):
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リンサンを多く含み、微生物のえさになり発酵を促進する。
- ●クンタン(7.5%):
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微生物の増殖を助け、その住処となるほか、カリ・カルシウムを補給し、肥料もちを良くし、におい・有害物質を吸着する。
- ●牛ふん堆肥(7.5%):
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おだやかな肥料効果と土壌改良効果が長く続く。多くの有用微生物も含んでいる。
- ●カニガラ(7.5%):
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チッソ・リンサンのほか多くのキトサンを含んでおり、高温で発酵しやすい。キトサンは病気への抵抗力を強める。
- ●改良土の素(10%):
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二つのタイプのリンサンと80種類の有用微生物。光合成を活発化させる二価鉄イオンを長時間出しつづける「鉄力あぐり」を配合してある最新土壌改良剤。
- ●砂糖:
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微生物のえさとなり、短期間で改良効果を発揮させる。
- ●木酢:
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微生物の増殖を助け、植物の組織を丈夫にする。臭いを消す効果もある。
- ●透水源:
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水をすばやくしみこませる力が強く20,000倍でも効果がある。多すぎる水の排水効果もある。植物の吸水を早める効果も大きい。
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福助作り 生の赤玉土を使用した培養土区 |
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福助作り 赤玉土を発酵改良して作った培養土 |
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満開の福助作り |
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★★ 培養土調合の材料 ★★ |
- ●腐葉土(35%):
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排水性・保水力・保肥力にすぐれ、微生物が住みやすい理想に近い土。
- ●改良赤玉土(30%):
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欠点が消えた、理想に近い土。
- ●草炭(10%):
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中国の湿地帯で葦やヨシが何千年も堆積して出来たピートモス状の土であるが、ピートモスと違って、中性で水をはじかない。
培養土に混合すると毛細管現象を良くし、表皮が乾くと下から水が上がってきて鉢土全体の水分均一化がはかられる。
- ●ゼオライト(5%):
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天然鉱石の一種で、多種多量のミネラルを含んでおり、水を活性水化する働きもある。根腐れ防止と生育促進効果がある。
- ●クンタン(10%):
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赤玉土改良で説明のとおり、全体にまぜるとより効果的。
- ●改良土の素(10%):
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赤玉土改良で説明のとおり、10パーセント混合が理想的。
- ●サーモゲル(3g/リットル):
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感温性吸放水剤。20・25・30度に温度設定されたものを混合してあるので、設定温度より低いとき水をやると、サーモゲル1グラム当たり50ccの水を吸水保持し、
設定温度より土温が上がると、ゆっくりと放水する。これを繰り返すので、水遣りは週2回でもしおれず、旺盛な生育をつづける。
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★★ 培養土作り ★★ |
- 1.菊作りで一番大切なことは良い培養土を早めに作ること
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●良い培養土の条件
水はけ・通気性がよく、水持ちがよいこと。肥沃で保肥力があること。リンサン吸収を妨げないこと。有用微生物が多いこと。
●もっとも育てやすい培養土の配合割合
腐葉土40%、改良赤玉土35%、クンタン10%、ゼオライト5%、草炭10%。これらを混合した土1リットル当たりサーモゲル3グラムを混合する。
●早めに材料を調合して熟成させて使う
水分を加えて良くかき混ぜ、通気性のよい土嚢袋などにつめて、ブルーシートなどの雨よけをかけておくと、材料が良くなじみ、有用微生物が増えて育ちやすい土になる。
- 2.赤玉土は改良して使う
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赤玉土は全国どこでも季節を問わず、同質のものを入手出来るので大変便利な土だが、そのままでは次のような3つの欠点があるので改良して使いたい。
(1)pH5.0〜5.3で酸性が強い
(2)EC0.0で非常に痩せた土である
(3)リンサンと接触すると植物が吸収できないものに変わってしまう
改良の手順は後述の「赤玉土は改良して使いましょう」を参照のこと。
- 3.市販の腐葉土は改良強化して使う
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市販の腐葉土にはリンサンが入っていない。また発酵不十分なものが多いので、改良強化して使いたい。
<改良の手順と量の目安>
市販の腐葉土80リットル、米ぬか10リットル、土の素14リットルに水20リットルをかけてよく混ぜ、土嚢袋等の通気性のよい袋に詰めて雨よけの下に置く。
通気性のよい状態で発酵させることがコツ。
- 4.市販の菊培養土は改良強化して使う
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市販の菊培養土はメーカーによって品質差が大きく、満足できるものが少ないので改良強化して使いたい。
<改良の手順と量の目安>
市販の菊培養土80リットル、土の素14リットル、腐葉土20リットル、ゼオライト5リットル、クンタン10リットルに水20リットルをかけてよく混ぜ、
土嚢袋等の通気性のよい袋に詰めて雨よけする。
- 5.便利な新資材サーモゲル
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感温性吸放水剤で朝夕の涼しいときに水やりすると沢山の水を吸収し、昼間温度が上がると、ゆっくりと放水し、温度が下がると水と回収する(1gで50cc)。
サーモゲルを入れると生育が早くなり大きな花が咲く、また3〜4日に1回の水やりでもしおれないので、水やりにかかっていた時間を他の手入れに当てることが出来、2泊3日の旅行も安心して行ける。
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★★ 赤玉土は改良して使いましょう ★★ |
菊の培養土をはじめ、園芸用の土には赤玉土が広く使われています。赤玉土は、栃木県の鹿沼地方が主産地ですが、全国どこの園芸店やホームセンターでも、
季節を問わず、品質の揃ったものが簡単に入手できるので大変便利な土です。
しかし、赤玉土はそのままでは大きな欠点が三つあります。
その1は、リンサンを植物が吸収しにくい形に変えてしまうため、折角与えたリンサンが効かなくなってしまうこと。
その2は、酸性土(pH 5.0〜5.3)であるため、菊の生育が悪いこと。
その3は、痩せた土(EC 0.0)であるため、肥料が効きにくいこと。
で、皆さんも鉢土をひっくり返した時、赤玉土に根が絡んでいない状況をご覧になったことがあると思います。
これらの欠点を直し、有用微生物が多く、リンサンが良く吸収される良い用土になるよう、赤玉土の改良をお薦めします。菊だけでなく、
ほとんどの植物の生育に効果を発揮します。
この方法は、冬季で2週間、4月以降の暖かい時期ですと1週間で完全に出来上がり、pH 6.3、EC 1.0の菊作りには最適のすばらしい土に生まれ変わります。
盛んに醗酵しても、クンタンと木酢液がにおいを吸着しますので、住宅団地で作ってもにおいの発生が無く安心です。また、病気の発生も少なくなります。
- ●材料の目安
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赤玉土4〜5袋(80リットル)、米ぬか半袋(10リットル)、もみ殻クンタン半袋(10リットル)、牛糞堆肥半袋(10リットル)、土の素1袋(14リットル、土の素がないときは、
バットグアノ2kgとバイオゲン500g、または焼成骨粉6kgと発酵菌)、カニガラ10リットル、砂糖400g、木酢液50cc、透水源5cc、水25リットル
- ●作り方の手順
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1)水に透水源、木酢液、砂糖を入れて溶かす。
2)米ぬか、もみ殻クンタン、牛糞堆肥、土の素、カニガラをシートの上でよくかき混ぜ、均一に広げる。
3)2)の上に赤玉土を広げる。
4)広げた赤玉土に1)の液をジョロで丁寧にかける(赤玉土だけをしめらせる)。
5)全体を良くかき混ぜ、土のう袋など通気性のよい袋に詰め、雨よけの下に置く。
冬で5日、春なら2日で発熱し、その後、数日経って白い菌糸が広がったら出来上がり。乾燥して保存すれば1年経っても大丈夫です。
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1. 左上;米ぬか、右上;クンタン、手前;牛糞堆肥(配合比 1:1:1) |
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5. 全体をよくかき混ぜた状態(これを土のう袋に詰める) |
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2. 米ぬか、クンタン、牛糞堆肥をよくかき混ぜる |
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6. 改良済みの赤玉土(白い菌糸に包まれて完成) |
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3. 米ぬか等の混合物の上に赤玉土(小粒)を広げる |
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7. 左上;土の素、右上;バットグアノ、手前の白い粉;焼成骨粉 |
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4. 赤玉土に砂糖、木酢液及び透水源入りの水をジョロでかけ濡れた状態 |
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8. 土の素、バットグアノ |
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