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菊の種類/古典菊



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 古典菊は、江戸中期に各地の殿様の保護奨励によって地域独特の発展を遂げた菊の総称で、昔の地名で呼ばれています。

嵯峨菊   伊勢菊   肥後菊
江戸菊   美濃菊   奥州菊


各写真をクリックすると大きな画像をご覧になれます

嵯峨菊


 京都嵯峨地方で育成されたもので、はじめ平らに咲いたのち、細い花弁が立ち上がって茶筅状になります。

 ほうき仕立てと七五三作りが正式の仕立て方とされています。

嵯峨菊 嵯峨菊の
ほうき作り

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伊勢菊(松阪菊)


 伊勢地方で発達したもので、嵯峨菊から変化して出来たものといわれ、中輪を伊勢菊、大輪を松阪菊と呼ばれていたようですが、 いつの間にか全体が伊勢菊と呼ばれるようになりました。咲きはじめは嵯峨菊に似ていますが、花弁が垂れ下がるのが特徴です。

伊勢(松阪)菊
大輪の三本仕立て
伊勢(松阪)菊
中輪の天地人仕立て

   写真、右...本来「ほうき作り」に仕立てるものだったようですが、現在は松阪を中心に「天地人作り」が盛んです。

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肥後菊


 熊本で発達し、長い間門外不出とされて、ごく限られた人しか栽培を許されなかったことで有名です。今でも保存会の品種は、 役員会の審査をパスして会員にならないと苗を分けてもらえません。

 大中小輪がありますが、いずれも一重咲きで花弁の間がすいたパッチリした咲き方が特徴です。

 伝統の正式の仕立て方は非常に難しいので、簡易ほうき作りで作ってみて下さい。

中 輪 小 輪

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江戸菊


 東京で発達した中輪の菊で、一度平らに咲いたのち花弁が立ち上がり、ねじれたり、折れ曲がったり、種類によってさまざまな変化をするため、 狂い菊、芸菊とも呼ばれます。

 9〜15本立ての「篠作り」に仕立てて、日毎の花弁の変化する様子を楽しみます。

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美濃菊


 名古屋、岐阜地方で発達した広幅花弁の八重咲きです。花芯を囲む帆を立てたような花弁(帆立て花弁)が整然と並んでいるのが良い花です。 巨大輪に咲かせるためには多肥が必要ですが、止肥(8月下旬最後に与える乾燥肥料)が多すぎると、花弁が多くなりすぎるので注意が必要です。
切花競技の美濃菊

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奥州菊


 青森地方で発達した菊で、花の上部が両手でギュッと掴んだような形に盛り上がるので大掴みとも呼ばれ、最近では大掴みと呼ぶのが普通です。

 掴みの部分が山二つの型を女咲き、八の字型になったものを男咲き、掴みと走りの間にモクモクと雲がわいたような花弁がつくと、特に豪快で雲咲きと呼びます。

 同じ品種でも作り方、気象条件で全く違った花が咲くので面白いのです。
奥州菊の男咲き

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